マレーシアの現地スタッフがお送りする、マレーシア通信#5
当地の女の子たちが思春期を迎え月経が始まると、お母さんだけではなく、
おばあちゃん、親戚縁者らから一斉に、あれ食べなさい、これ食べなさいとの
指示が行き交います。
日本では初潮のお祝いに御赤飯を炊く風習がありますが、当地も同様に、
たんぱく質や鉄分の豊富な穀物を炊き、
月経期間中を通して当該女児に振る舞うという慣習があります。
本日は、女性の身体に良いとされる当地の食べ物をご紹介しましょう。
お勧め食材ナンバー1 タカキビ
タカキビは、マレーシアではラギと呼ばれ、麺、パン、ペーストなどの主食に調理していただきます。
鉄分・たんぱく質をもっとも多く含む穀物とされ、月経期間中の娘さんたちは、否が応でも強制的に食べさせられます。

「おいしくないから嫌」
などと文句を言おうものなら、おばあちゃんが飛んできて
「口あけなさい!」と、
無理やり突っ込んでくるほどのマストアイテムです。
お勧め食材ナンバー2 ひよこまめ
葉酸、ビタミンB群、ミネラル、たんぱく質、食物繊維が豊富で、
大昔から重用されている栄養抜群のひよこまめ。
カリウムも含まれており、むくみや冷えの防止にも役立ちます。
糖質は多めですが、体内にゆっくりと吸収されるタイプの糖分のため、
血糖値の急激な上昇も抑制することも可能で、万能食材とみなされています。

当地では、パン、麺などの主食として、またスープやカレーなどに用いられています。
初潮を迎えた女の子のお祝いは当地でも見られますが、
ひよこまめで作られたパンは、その儀式にも用いられます。
お勧め食材ナンバー3 身体を温め、エネルギーを高めるもの
マレー系、中華系、インド系の民族に関わらず、
「女性は身体を温め、エネルギーを高める食材をとりましょう」
と徹底した食育を受けます。
生卵、生姜、にんにく、玉ねぎなどがその代表。
当地の卵の生食はオススメされないとされていますが、
地元のみなさんは放し飼い・生みたての自然卵を手に入れ食しています。
また、生姜オイルも良いとされています。

月経不順・期間中に痛みなどを有する人は
当地ではトンカイと呼ばれる「女性のための高麗人参」、カラトウキ。
当地では簡単に手に入れることができ、炒め物や煮込み料理に刻んで投入し食します。
摂取を避けるように言われるもの、それは?
経血が増えるとされる砂糖、身体を冷やす冷たい飲み物や食べ物。
これらはなるべく摂取を控えるように言われます。
「アイスクリーム食べちゃいけないの!?」
「チョコレート食べたいのに~」
と、絶望的な声が女の子たちから聞かれますが、
「将来にわたって健康でいられるように。月経痛などで苦しまないように」、
おばあちゃんたちは心を鬼にして厳しく孫を指導。
こうして育った娘さんたちはやがて母になったときに、子どもたちに対して同様の食育を施していくのでしょうね。