ハラルとノンハラル マレーシアのスーパーマーケットに見る、多民族・多文化の共存方法

       
マレーシア現地スタッフ便りルに滞在する

マレーシアの現地スタッフがお送りする、マレーシア通信#3

本日は、多民族・多文化が上手に融合するマレーシアの様子を、スーパーマーケットやショッピングモールの在り方を踏まえ、ご紹介しましょう。

 マレーシアの人口構成比は、マレー系70%、中華系23%、インド系7%で、国教はイスラム教。
その他、仏教、ヒンドゥー教、儒教・道教、キリスト教、シク教などを信仰する人々が共に暮らしています。

食は宗教と直結し、各民族・宗教により、「食べてはいけないもの(禁忌)」は異なります。

例えば、イスラム教徒は豚肉ならびに豚由来の食品、およびアルコールを口にせず、ヒンドゥー教徒や仏教徒は牛肉を食しません。

誰もが遠慮なく口にできる肉は鶏、ラム肉で、企業が主催する宴会での食事には中東料理やベジタリアン料理、またはムスリム・チャイニーズが選ばれる傾向にあります。

 さて、イスラム教徒は豚肉ならびに豚由来の食品、アルコールは口にできないと前述しましたが、当地イスラムの慣習はさらに厳格で、豚肉や豚由来の商品に触れることや、空間を共有することも好まれません。

 そのため、マレーシアのスーパーマーケットでは、豚関連商品やアルコール類を陳列する部屋と専用レジが店内に特別に設けられており、最近では主店舗の隣に設置された独立スペースで商品展開されるなど、
「妥協や我慢を強いられることなく、誰もが快適に共存するための」
様々な工夫が施されています。

ノンハラルコーナーはこちら
ノンハラルコーナーはこちら

 豚関連商品およびアルコールは「ノンハラル商品」と呼ばれ、これらのコーナーは「ノンハラルコーナー」と呼ばれます。
(イスラムが口にできるものは「ハラル」)

ノンハラル製品は、別にある(レジを別にするため)
ノンハラル製品は、別にある(レジを別にするため)

当地を訪れる日本人のみなさんがスーパーを訪れ、「ビールはどこ?」と探し回っておられる姿をよく拝見します。
次回以降はぜひ、「ノンハラルコーナー」をお探しください。
世界中のビール、ワイン、日本酒から焼酎、最高のツマミとなり得る、パルマハムやハモンセラーノ(生ハム)に至るまで、豊富なラインナップが皆様をお待ちしております。

ノンハラルコーナーは、クオリティの高い豚肉製品も
ノンハラルコーナーは、クオリティの高い豚肉製品も
アルコール類もノンハラルコーナーに
アルコール類もノンハラルコーナーに

 ところで、当地で禁忌とされるものは食品に限らず、一般製品に及びます。
豚由来であることなどを明記して的確に管理し、イスラム教徒が「うっかり触れてしまう」ことを避けるよう配慮がなされています。

食べ物ばかりではないノンハラル製品
食べ物ばかりではないノンハラル製品
食べ物以外のノンハラル製品
食べ物以外のノンハラル製品


また、「ハラル製品(厳しい審査をクリアしたもの)」であることを示すための「ハラル認証」が商品やパッケージに印字されており、これもまた多民族が共存することを前提とした国ならではの努力と配慮の結果です。
(当地のハラル認証基準は、世界一厳しいとされています)

 1400年代の建国以来、他の宗教・民族を否定しないダイバーシティの国マレーシアは、国際的という視点では、世界随一の先進国ではないでしょうか。