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卵子提供エージェンシーの選び方 PartⅡ

         

子供が欲しいあなたを全力で応援するバタフライより☆彡

前回に続き、卵子提供エージェンシーの選び方について書きます。
林立する卵子提供エージェンシーですが、何度も私がこのブログで書いていますように、
エージェンシーの優劣や誠意、あなたとの相性が、卵子提供プロジェクトの成否を決めますので、
慎重に、疑問は全てぶつけて、完全に納得してから決定して下さい。

では以下、具体的に項目毎に考えていきます。

バタフライさん体験談4

1.本拠が日本国内か、海外か

卵子提供エージェンシーは、日本に本拠がある会社と、海外に本拠がある会社に大別できます。
私はどちらとも交渉しましたが、前者を選びました。
卵子提供、という大変ナーヴァスなプロジェクトに全力で取り組むために、すぐ連絡出来る会社とタッグを組みたいと思ったのです。

卵子提供プロジェクトを行ってみての実感ですが、質問しても質問してもきりが無いくらい、プロセス途上で解決しなければならない課題や疑問が出て来ます。
そのたびに、国際電話をいちいちかける訳にはいきません。
私が交渉した、ロサンゼルスに本拠をおくエージェンシーは、私に、スカイプと契約するよう求めました。
エージェンシーとの交渉は基本的にはメールで行いましたが、大切な事はやはり電話で直接話し合いたかったので、時差も気にしなくていいし、スカイプ契約も不要な、日本国内に本拠をおくエージェンシーに決めました。

バタフライさん体験談16

 2.精子を確実に安全に空輸出来るか?

前回のブログにも書きましたように、夫が多忙で渡航出来ないので、日本で採精して、バンコクのクリニックへ空輸しました。
国内で精子を保管して貰っているクリニックから空港までの移動→飛行機内→バンコクで空港からクリニックまでの移動。
この過程で精子を確実に安全に空輸出来るかどうか、何度も確認し、大丈夫だと信頼出来るエージェンシーに決めました。
特に怖かったのが、飛行機内での扱いと、バンコクでの移動です。
血液や細胞などの輸送を扱う専門の業者をエージェンシーから紹介されました。
実績もあり信用できると思ったのですが、難点は、その会社の方が精子に付き添って運搬して下さるのは国内のみ、という事でした。
飛行機内では精子は独りぼっち(!)ですし、一番怖かったのは、バンコクに到着後の精子の扱いです。
バンコクの空港内でどのような手続きを経て入国出来るのか?
どんな人が、どんな手段で空港からクリニックまで大事な精子を運んでくれるのか?

輸送業者の説明は、こうでした。
空港内で精子に付き添う人間はいないが、規定の手続きを経た後、バンコクの専門業者が受け取り、精子を損なわない設備を備えたリムジンでクリニックまで確実、安全に運ぶ、との事でした。

私に経済的、時間的余裕があれば、精子に付き添って飛行機に乗り、バンコクのクリニックまで行きたかったのですが、それは無理でしたし、日本の業者が、バンコクの業者にきちんと指示を出しておくから大丈夫との事でしたので、任せる事にしました。

結果として精子は無事にバンコクのクリニックに到着、受精も妊娠も出産も無事成功し、子供はとても元気に育っています。

でも、精子の空輸ではやはり、大変怖い思いをして、不安に苛まれました。
飛行機は無事到着したのに、空港で精子が長時間足止めされて、なかなか出て来なかったのです。
後で分かったのですが、バンコクの空港の税関にトラブルが発生し、半日ほど機能がストップしていたそうです。
日本の自宅で、精子が無事にクリニックに到着したという連絡を今や遅しとじりじり待っていた私は、
いつまでたっても連絡が無いので、
精子が紛失?
迷子になったのか?
飛行機到着から8時間ほど経過しても連絡が無いので、凍結精子が融解してしまうのでは?
と、本当に生きた心地がしませんでした。

結果的に、凍結を長時間維持できる容器に入れられていましたので精子は無事でしたが、
空港のシステムトラブルに巻き込まれて、本当に不安でした。
私達のケースは、夫が多忙で渡航出来ないのでやむを得ず、精子を空輸しましたが、
やはり、予期せぬトラブルの可能性もあります。
大切な精子ですので現地のクリニックで採精される事をお勧めします。

バタフライさん体験談9

 3.スタッフの知識、誠意、守秘

次回のブログで、卵子提供プロジェクトの具体的なプロセスを丁寧に書くつもりですが、実にこと細かに、エージェンシーと打ち合わせ、話し合いをする必要があります。
受精卵を何個作って、何個お腹に戻して何個凍結保存するのか、とか、
顕微授精にするかどうか、etc、
それらについて的確な知識を持ち、どんどん進化する不妊治療について勉強も続けていて、誠実に対応してくれる。
しっかり守秘出来る。
これらの事は最低限、必須です。

以上の事が出来るエージェンシーかどうか、の判断は、直接話してみて、探るのが一番だと思います。
その為には、まずあなた自身が知識と、やる気を充実させる事です。

私は、長年お世話になっていた不妊治療クリニックのドクターや培養士さん達にとことん質問して、自分が卵子提供プロジェクトを成功させる為の知識を磨きました。

バタフライさん体験談14

 4.ドナーさんの質と量

そしてこれが最重要事項ですが、そのエージェンシーに登録しておられるドナーさんの質と量です。
私は、ドナーさん選ぶ際に、まず最初に血液型を決定して選びました。
その血液型のドナーさんが何人くらい登録しておられ、どのような方々なのか?
をまずチェックポイントとしました。

具体的には、エージェンシーに直接出向き、ドナーさんのプロフィールを拝見しました。
その場でドナーさんを決定せず、自宅でじっくりと選択したかったので、自宅にドナーさんの写真やプロフィル等のデータを送信して貰いました。

その際に、エージェンシーから、私達夫婦の身分証明書類のコピーを提出するよう求められました。
この時、私はこのエージェンシーが良い、と思いました。
ドナーさんのデータ、という最高機密を外部に出す際に、相手の身分証明書類を求める、という事は、私達、依頼夫婦のデータも十分に守られる事だと思ったからです。

そして、ドナーさんのデータに何が記載されているのか?
ドナーさんの写真が確実に掲載されているか?
この2点をしっかりチェックしましょう。

私達の場合、ドナーさんが決定するまで時間がかかりました。
ドナーさんは色んなライフスタイルの方がおられます。
学生さんもおられれば、お子さんがおられる方もいらっしゃいます。
このドナーさんにお願いします、と決めて、エージェンシーに伝えてから、
まずは、ドナーさんに連絡がつくまでに時間がかかります。

卵子提供エージェンシーを訪問

連絡がついても、学生さんの場合、試験や学業などで多忙でドナー活動は無理、
お母さんドナーの場合、子供の幼稚園や小学校のPTA活動で多忙ゆえ無理、
お仕事をされている方の場合は仕事が多忙で無理、
などと、私達は、何人ものドナーさんに断られました。

この方が良い、依頼したいと思ってもことごとく断られ、暗礁に乗り上げた、と落ち込んでいた所、
エージェンシーのスタッフの方から、
「この方は如何ですか?この方なら今すぐドナー活動可能です」
と連絡を貰いました。

その方は、私達の選択には入っていませんでしたが、エージェンシーに提案され、
その方の写真やプロフィルをじっくり拝見すると、とても良い方でした。

このようにして私達は、エージェンシーが結んでくれたご縁で、ドナーさんを最終決定したのでした。
このように、依頼する夫婦の意識や好みを見極めて、魅力的なドナーさんをカップリング出来る力を持っているエージェンシーをお勧めします。

以上、エージェンシーの選び方を書きました。
ドナーさん及びエージェンシーの選択は一大事です。

どうぞ、納得出来るまでとことん、エージェンシーに質問して話し合って、決めて下さい。

卵子提供エージェンシーの選び方Part Ⅰの記事はこちらからから


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卵子提供エージェンシーの選び方

         

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不妊治療について、そして、最先端不妊治療の先鋭化への危惧について、このブログで書いてきました。
いよいよ、卵子提供のノウハウについて、私の体験に基づいて少しずつ具体的に書いていきます。

まず、最も大事な課題、卵子提供エージェンシーの選び方について、書きます。
このブログを書いています2018年2月現在、インターネットの検索で「卵子提供」、と打ち込んだだけで、すぐさま「卵子提供」関連サイトがずらっと表示されます。
今やエージェンシーが林立、どの会社を選べば良いのか、悩みます。
法整備もされていませんし、それぞれの会社が独自の事業を展開していますので、細心の注意を払い、よくよく見極めて会社を選ばねばなりません。
エージェンシーは玉石混淆、多額の料金を支払いますし、何より、新しい命を生み出すのですから、複数の会社をしっかり比較検討して、選んで欲しいです。

バタフライさん卵子提供体験談

私が卵子提供を受けたのはバンコクです。
アメリカ本土やハワイが人気かと思いますが、私はバンコクを選びました。

理由は3つです。
最大の理由は、飛行機に乗っている時間が短い事。
ロサンゼルスなら約10時間、ハワイでも8時間近い飛行時間です。
自宅から空港までの往復や空港内での移動、現地でのクリニックと空港との往復などが身体に与える負担を考えると、飛行時間が6時間で済むバンコクが最適でした。
私は不妊&不育で10回流産していますので、特に現地からの帰国を最重要視、帰国する時は私は妊婦なんだ、と自分に言い聞かせていました。

「現地で胚をお腹に移植した瞬間から、新しい命が自分のお腹で躍動を始める。その大事な大事な命を全身で育みながら、私は帰国する。だから、妊婦として慎重に慎重を重ねて帰国し、自宅まで無事に到着せねばならない」

このように言い聞かせていました。ですので、荷物も可能な限り軽量化しました。
多くの旅行者が使うキャスター付きの鞄も、やめました。
階段で重い鞄を抱えて上り降りしなければならないからです。
とにかく、重い物を持たないよう、出来るだけ歩かないよう、胚の移植後はエレベーターやエスカレーターを使えるだけ使い、身体を大切にしました。

卵子提供エージェンシー選び方

バンコクを選んだ2つ目の理由は、料金が安かったからです。
卵子提供エージェンシーが提示する費用は、アメリカ本土やハワイに比べて、バンコクが安かったのです。
飛行機やホテル、現地での滞在費は、エージェンシーに支払う卵子提供プロジェクトの料金に含まれなかったので、飛行機やホテル代金も安いバンコクを選んだのです。
結果として、やはり、お腹に胚が入った状態で帰国する際に、飛行時間の短いバンコクを選んで良かったと思っています。
バンコクのクリニックも清潔で医療技術も高いと感じました。

2015年に政情により突如中断されて以来不可能だったタイでの卵子提供ですが、この文章を書いている2018年2月現在、一部の病院のみ再開しているようです。
マレーシアやインド、台湾でも行われているようですが、どこで行うのかは大変重要ですので、エージェンシーによくよく、その国の医療事情を確かめて、納得出来るまで十分話し合い、決定する事をお勧めします。

現地での気候が良い、とか、大都会だから行ってみたかった、とか、ついでに観光も出来るなどの理由で安易に決定しない事をお勧めします。
繰り返し強調しますが、帰国の際にはお腹に新しい命の息吹を感じながら、転ばないよう、重い荷物でお腹に負荷をかけないよう、大切に慎重に行動して頂きたいです。

バンコクを選んだ3つ目の理由については後述します。

卵子提供エージェンシーを訪問

次に、卵子提供エージェンシーをどのように選んだのか、私の場合を書きます。
まず、ネットで検索しました。沢山の会社がありますが、会社の拠点が日本国内なのか、海外なのか、に大別されます。

まずはホームページを熟読精査して、良さそうな会社に電話やメールで問い合わせをしました。
多くの会社が、夫婦共、1次渡航と2次渡航に参加するよう求めます。

1次渡航では、現地クリニックで医師との面談や検査、精子の採取を行います。
そしてドナーさんの採卵、受精卵の培養を経て、2次渡航が移植です。

私達の場合は、夫が多忙で渡航出来なかったので、国内で精子を採取し、現地のクリニックに送って体外受精させる事が可能かどうか、問い合わせました。
多くの会社が、不可との返事でした。

私は、自分の卵子提供→妊娠プロジェクトについて考えて考えて考え尽くしました。
人生で最も深く、考えました。それは、
「本当に他人さまの卵子を貰って良いのだろうか?そのようにして得られた新しい命を自分でちゃんと育んでいけるだろうか?」
という精神的葛藤や、夫が多忙ゆえ渡航出来ない問題、高い費用を捻出しなければならない点など、多岐にわたりました。

プロジェクトに必要な行為のあれこれを、出来るだけ国内で行いたい、と強く思いました。
私がそう思えたのは、ひとえに、日本で継続して来た不妊治療の主治医や培養士さん達と強い信頼関係があったからです。

私が望んだのは、プロジェクトを日本で遂行する事でしたが、現在の日本ではそれは無理でした。
ですので、ぎりぎり、出来る限り、日本の通い慣れた不妊治療の病院で遂行して頂けるよう、粘り強く主治医と話し合いました。
12年間、不妊治療でお世話になった病院でしたので、主治医も培養士さんも、私の希望を汲み取り、出来る限りの協力をして下さいました。

卵子提供選びのポイント

卵子提供エージェンシーの選び方ですが、国内拠点の会社2社に面談に行きました。

最初に訪問した会社はとても高圧的で、私が国内で出来るだけの事をしたい旨を告げると、言下に断られました。
私が食い下がると、それなら、その医者が本当に協力してくれるのか、守秘してくれるのか、今すぐその医者に電話して確認するから、電話番号を教えろ、と迫りました。
卵子提供プロジェクトは、とても神経を使う作業が多いのに、こんな高圧的な会社は無理だと判断しました。
しかも、面談のみの費用として5千円を支払わねばなりませんでした。

その次に訪問した会社は一転、とてもフレンドリーで、出来るだけ私の希望に添うよう努力する、と理解を示してくれたので、安堵出来ました。
面談費用も無料でした。
そもそも、卵子提供に関して日本では一切、法整備がなされていないので、ルールも料金もそれぞれの会社が決定します。
会社によって全然違うので、しっかり精査してじっくり話し合い、複数の会社を比較検討する事が必須です。

米国の卵子提供エージェンシー

私はもう1社、アメリカ本土に拠点を置く会社とも交渉しました。
実施するのはロサンゼルスのクリニック。
ドクターが優秀そうで、卵子提供の実績も着実に重ねていて、日本人のドナーさんも魅力的で、ロサンゼルスでの実施にしては料金が比較的安価でした。
ネックになったのが、精子の問題です。

前述しましたように、夫は多忙で渡航出来ないので、日本から精子を空輸したい、と希望しました。
最初、それは出来ない、と言われていたのですが、粘り強く交渉を進めると、空輸はOKになったのですが、精子を空輸するための条件が非常に厳しかったのです。

ロサンゼルスまで精子を空輸する為には、その前にまず、血液を採取して空輸し、アメリカで検査を受けて、異常なし、と認可される事が必須だと言われました。

検査費用は数十万円、空輸費用にも数十万円、合計百万円以上かかります。
日本で検査して英語で証明書類を作成して送付する方法でだめですか、と何度も交渉しましたが、だめでした。
アメリカの医療の規定に基づいた検査でないと絶対だめとの事でした。

アメリカは卵子も精子も提供がとても盛んで、アメリカの不妊治療クリニックに勤務していた日本人医師に尋ねた所、精子の空輸はアメリカ国内で当たり前のように日常的に行われているそうで、やはり血液検査を経た精子が移送されているのだと思います。

アメリカでは、外見や学歴、知能指数など、精子にこと細かく具体的なデータを付与して、商品価値をランク付けし売買する市場が出来上がっています。

以前見たアメリカ映画に、こんなシーンが有りました。
結婚せず恋人もいない女性が子供を産みたいからと、精子を買って、なんと自分で人工授精する!
なかなか妊娠しないので、それを何度も繰り返し行う、というシーンで、これは特別な事ではなくよく行われている、という雰囲気でさらっと描かれていて、私は驚愕しました。

このように、精子市場が完成し、ビジネスとして精子を売買、移動させているアメリカだからこそ、血液や精子など生体の国外から国内への移入については神経を尖らせていて、アメリカの基準に基づいた検査以外を認めないのではないか、と私は推察します。

卵子の移送については、よく調べてはいませんが、精子ほど盛んに行われていないのではないか、と思います。
卵子は精子に比べてはるかに、弱いのです。受精させて、受精卵になると強くなりますが、未受精の卵子はとても弱く、ダメージを受けやすいのです。

卵子提供エージェンシー選びは慎重に

卵子提供エージェンシーの選び方のテーマに戻ります。
私は、精子を空輸するためにはその前にまず、百万円ほどかけて血液を空輸しなければならないアメリカでのプロジェクトを諦めました。
そしてそのような手間がなく、ダイレクトに精子を空輸できるバンコクを選びました。
これが、バンコクを選んだ3つ目の理由です。

長くなりますので、ここでいったん筆を置きます。
エージェンシーの選択はとても重要ですので、続きをまた近々、書きます。

卵子提供を受けての妊娠、出産を考えている皆様、どうぞくれぐれもエージェンシーを慎重に選んで下さい。
費用が高過ぎたり、エージェンシーのスタッフや現地コーディネーターや現地の医療スタッフのクオリティや親切度に不安を覚えて、あなたにストレスがかかると、せっかく卵子を頂いても、妊娠へとスムーズに進んでいかないかもしれません。

卵子を貰ってゴールではありません。
そこから妊娠が始まり、出産、育児へとずーーっと続いていきます。

主役は、母となるあなたです。わがままになって良いのですよ。

卵子提供エージェンシーの選び方Part Ⅱの記事はこちらからから

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最先端不妊治療への危惧

         

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少し前にテレビのニュース番組で、最先端不妊治療として、ミトコンドリア移植が取り上げられていました。
医療やバイオテクノロジーの分野でミトコンドリアが着目されている事に私が気づいたのは、2012年頃でした。
アンチエイジングや、妊娠しやすい身体作りに効果がある、とうたわれ、ネット上に広告が載っていて、プラセンタに似た印象を持ちました。
医薬品のように宣伝されているけれど、抽象的で、身体のどこにどう効くのか、よく分かりませんでした。

そして、2013年、ミトコンドリアをもっと直接的に意識するようになりました。
何度も流産を繰り返し、年齢、体力、気力、経済的に不妊治療の継続に限界を感じ、最終手段をチョイスしようとしていた頃です。

私が模索していた方法は、卵の核移植です。
なかなか妊娠しない、妊娠しても初期段階で流産してしまう。
その理由は、高齢化により卵の質が低下しているから、と不妊治療のドクターから指摘されていました。

卵子提供体験談2

12年間も不妊治療を続け、ますます高齢になり、卵が弱体化していきました。
自分で妊娠、出産するためにはもう、卵提供を受けるしか方法がない、と考えていた頃、卵の核移植を知りました。

具体的には、若くてぴちぴちとした、良質の卵の核を抜き去り、そこに私の卵の核を注入する、という方法です。
核置換、あるいは細胞質置換、という表現がなされていました。
この、細胞質に存在するのが、ミトコンドリアで、核置換とは、ミトコンドリアを若返らせる事で、妊娠、出産を成功させようとする方法です。

実際に私がおこなって妊娠、出産に成功したのは、卵提供です。卵を頂戴して、そのまま、受精させました。
卵の提供を受ける、という点では核置換と同じですが、卵のアイデンティティが、私なのか、提供者なのか、という点が根本的に違います。

核置換なら、卵は私自身、私のDNAです。
卵の核を入れ替える、この方法は大変難しく、2013年当時、私が調べた中では、臨床データがあるのは、中国で実施された例だけで、子供に重大な障害が発生した、という症例でした。

当時、日本で核置換の研究に取り組んでいる機関は大変少なく、私が把握したのは、2つのクリニックだけでした。
どちらもとても有名な不妊治療専門クリニックでした。

何とかして、自分のDNAを活かして妊娠、出産したかった私は、これら2つのクリニックと連絡を取り、核置換の実現を模索しました。
二つとも私の自宅からは遠かったですが、とにかく、自分の卵で産みたい!!の一心で、新幹線に乗って遠いクリニックまで行き、説明を受けました。
結果は、まだ臨床レベルではなく、研究段階だ、との事で、実現しませんでした。

卵子提供体験談3

安全だとされる体外受精の顕微授精でさえ、卵の中に精子を注入する時に傷がつかないか、と私は不安になりました。
まして核置換は、核を取り出す方法なのですから、遺伝情報に傷をつけず、核を取り出して、別の卵に入れるというのは大変難しい技術なのだろう、と考え、核置換を諦めました。

その後、卵を丸ごと頂戴する、卵提供を受けて、無事妊娠、出産し、現在、育児に奮闘しています。
授かった子供は大変元気に育ってくれています。

不妊治療を受ける人の数が増え続けている中、不妊治療でミトコンドリア移植が行われ、妊娠、出産に成功した、というニュースを見て、私は危惧を抱き、この文章を書いています。

今回、成功した方法は、腹腔鏡手術で卵巣からミトコンドリアを採取し、それを顕微授精の際に、精子と共に、患者本人の卵に注入する方法のようです。
本人のミトコンドリアですので拒絶反応もなく、ミトコンドリアを補強する事で卵を強く出来たのではないか、と考えられます。

私がトライしようとして出来なかった核置換に比べると、自分自身の身体のみを使うので他人の遺伝子は入りませんし、卵そのものはさわらないので安全なようですが、私は不安を感じます。

まず、卵巣からのミトコンドリアの採取の為に、腹腔鏡手術であるからお腹を大きく切る必要は無いとはいえ、お腹に穴をあけなければなりません。
体への負担が心配ですし、費用も相当かかります。

顕微授精の際に、ミトコンドリアが精子と混ざるのですが、その点も気がかりです。

卵子提供体験談4

私が、卵の核置換を希望して、全国の不妊治療機関に核置換を施療しておられるかどうか尋ね、核置換を研究中のクリニックを見つけて、そこへ必死の思いで駆けつけたように、子供を授かる為ならば、どんな努力も惜しまず頑張っている人達に私は伝えたいです。

「最先端の治療には十分、気をつけて下さい」
「最先端治療を受けるなら、世界の臨床データや、身体への負担、経済的負担など、客観的事実を出来るだけ把握して、医療者と納得出来るまで良く話し合って下さい」
「身体と心を十分、いたわって下さい」
「パートナーとも十分、意志疎通をはかり、二人で心を合わせられるようにして下さい」

今回、ミトコンドリア移植による妊娠、出産を成功させたドクターは、本当に、ミトコンドリア移植が原因で成功したのかどうか、まだよく分からない、と率直におっしゃっています。

不妊治療に限らず、最先端治療は臨床データが少ないので、副作用なども不明な事が多いです。
患者も医療者も十分、自覚して欲しいです。

増え続ける不妊治療の患者。「産みたい!」という患者の切実な想いに応えようとして、不妊治療はますます、先鋭化していくと思います。

患者の身体と心と、生まれてくる新しい命を十分守って欲しい、と危惧しつつ、祈っています。

12年間の不妊治療で苦悩した私に出来る事は、自分が体験した事や不妊治療の現場で見聞きした事をこうやって文章でお伝えする事です。
これからも書いていきたいです。今後、卵提供を受けた際の色んな体験も書いていきます。

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どうぞ、心と身体をいたわりながら的確で賢い不妊治療を受けて下さい。パートナーを大切に!

         

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私は、不妊治療を12年続け、ついに自分の卵での妊娠を諦めて、卵提供を受けて妊娠、出産しました。

私が不妊治療を開始した頃と現在とでは、隔世の感があります。
以前は、不妊治療を受ける、という事はとても特別な事で、後ろめたく、容易に他言出来ない雰囲気でした。
ところが今や、不妊治療関連の保険や、金融商品も登場し、不妊治療は今や堂々、時代の表舞台に躍り出ました。
身近で大事な存在となった不妊治療ですが、医療分野としては新興ですので、まだまだ、変貌を遂げていくと思われます。
患者は、的確で賢い選択をして、疲弊しないようにして欲しいです。

私は12年間の不妊治療で、様々な医療機関に行きました。
歴史が古く、日本の不妊治療の草分け的存在の病院や、全国的に有名な人気病院、カリスマ的医師が君臨する個人クリニックetc、
全国あちらこちらの病院やクリニックに行き、最先端の不妊治療を探し求めました。

そして得た結論は
質の良い卵、精子、母体、何より心が肝心」という事です。

現在百花撩乱の不妊治療。
ホームページには、
「あなたの為のオリジナルの治療をカスタマイズします」
など、美辞麗句が踊っています。
妊娠の実績が数字で示されていますが、数字のマジックに期待し過ぎてはいけません。
高い妊娠率を誇っていても、それは、体外受精の結果としてのごく初期の妊娠も含んでいる場合がほとんどです。
肝心なのは、出産までたどり着く事であって、妊娠率ではなく、出産率を確かめる必要があります。

患者のニーズに医療体制が追いついていない、というのが不妊治療の現状です。
そもそも医療機関が少ないので、大変混雑して、長い待ち時間に患者のストレスはうなぎのぼり。
治療そのものが大変なストレスなのに、治療にたどり着くまでのストレスが重なって、患者の心は悲鳴をあげています。

患者を苦しめているものがもう一つ、費用です。不妊治療は保険外が多く、高額になるケースが多いです。

私は全国の色んな病院やクリニックに行きましたが、同じ治療でも診察代が全く違うのに驚きました。

卵の成長をチェックし、排卵のタイミングを探る、という不妊治療の基本中の基本の、エコー検査。
これが、保険外で、1回5千円ほど必要な所もあれば、保険診療でまかなえる所もあり、なんと、エコー検査の費用は無料、という所もありました。

私は、歯科もあちらこちらへ通いましたが、歯科も同様で、同じような虫歯治療を受けたのに、何故、こんなに診察代が違うのだろう?とかねてから疑問でした。
不妊治療も医療機関によって、費用がかなり違います。
特に、高額の体外受精は、大幅な価格差がありますので、要注意です。

高い所が良い、とか、安い所はだめ、という判断は出来ません。
何科であってもそうだと思いますが、医療機関を選ぶ時には、ドクターや医療機器など診療のクオリティ、費用、通いやすさなど、
総合的な判断が必要で、高名なドクターであっても、自分との相性が悪ければ、治療が苦痛になってしまいます。

不妊治療は、排卵誘発剤やホルモン剤の副作用などで、身体が相当、苦しいです。
心もはり裂けそうに、しんどいです。ぎりぎりの状態で踏ん張っている時に、
いくら腕の良いドクターであっても、ハートの優しさが感じられなかったり、思いやりに欠ける言葉を言われたりしたら、良い卵も育ちません。
不妊治療は、夫婦やカップルとドクターの三人四脚、そして、体外受精の場合には培養士も加わって、チームを組んでの治療になります。
相性も大事です。

12年間の不妊治療で、人工授精や体外受精を繰り返し、10回の流産を体験し、1回の卵提供で妊娠、出産に至りました。
巨額を費やし、膨大な時間と気力、そして、海に流してしまいたい程の沢山の涙を流してきました。
私は、出来るだけ、私の体験を伝えて、後に続く皆さんの力になりたいと願っています。
不妊治療についてのアドバイスを具体的に書きます。

バタフライ1

1.医療機関のホームページを的確に読み取る事。複数の病院、クリニックのホームページを比較検討する。美辞麗句にだまされないで。

2.ドクターとの相性を大事にする。

3.待ち時間が長く、やっと診察室に入れたと思っても、一人の患者にかける時間は短く、ドクターと真剣に話し合っていても、
看護師がやって来てドクターの机に 他の患者達のカルテをドンと置く、というのは茶飯事。
なので、ドクターへの質問を簡潔に箇条書きにまとめて、メモを持って診察室に入りましょう。

4.疑問があれば、とことん尋ねましょう。
ドクターが多忙で無理なら、看護師や、培養士に尋ねましょう。
出来るだけ友好的な関係を医療スタッフと築きましょう。
無理してしんどい思いをして友好関係を作らなくても、医療スタッフに質問をぶつければ、あなたの熱意は伝わります。

5.費用については、特に高度医療は、病院やクリニックによって差があるので、詳しく尋ねましょう。

6.受精卵はできるのだけれど、胚が順調に育たない。
妊娠してもすぐに流産してしまう。
こんな場合には不育症検査も受けましょう。
最近は、不育症治療に特化したドクターもおられます。

7.不妊治療は、心身への副作用が相当きついです。
私の場合は、排卵誘発剤やホルモン剤の大量摂取により、吐き気や抜け毛、ひどい倦怠感に悩まされました。
流産の後には何度も自殺を考えました。
私を救ってくれたのは、友人でした。とことん、私の悩み苦しみを我慢強く、聴いて、受け止めてくれました。
何度も何度も同じ話をして泣く私のそばにずっと、じっと、居てくれました。あなたを受け止めてくれる人を大切にしましょう。

8.頑張って、良い卵を創り上げても、大地である母体がくたびれていては、命は育ちません。
私は、母体創りのために、お灸、漢方薬、高麗人参、はちみつ、そして、不妊に効くという、アメリカで売られているサプリも個人輸入していました。
温泉にもよく行きました。特に、赤さび色の鉄泉が子宮や卵巣に効いた、と私は思っています。
あなたが、心身を伸びやかに解放できる何か、を大切にして下さい。

9.パートナーを大切にしましょう。
私の場合、私の、赤ちゃんへの想いが強過ぎて、不妊治療に突っ走り、夫がついて来られなくて、息切れして、
「もう協力出来ない。こんなしんどい思いをしてまで子供は要らない」
と言い、夫婦共にとてもつらい時期が長くありました。
男女が協力して、命は誕生します。夫やパートナーの意志も尊重しましょう。

不妊治療については、また、補足して書いていきたいと思っています。

私の体験が、皆さんのお役に立てて、少しでも、楽に、のびのびと、不妊治療にのぞんで頂ければ嬉しいです。

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引け目を感じないで!

         

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私は、卵提供を受け、高齢初産で出産しました。卵提供を受ける事を決意するまで、大変悩みましたが、今、子供と日々の喜怒哀楽を共にし、本当に、出産して良かったと実感しています。

卵提供を受けるかどうか、悩んでおられる方々に、このブログが何らか、力になればHappyです。

前回のブログで、「周囲があなたを母親にしてくれます」と書きましたが、とても大事な事ですのでもう少し、補足します。

私が声を大にして強調したいのが「卵が自分のものでないからといって、ひけめを感じないで欲しい」という事です。
私自身が妊娠中からずっと、ひけめを感じて何だか肩身の狭い思いをしていたのですが、結局は杞憂だと分かりました。
妊娠中の産婦人科でも、出産前後も、育児中の現在も、どの時期でも、差別されたり、特別扱いされる事はありませんでした。
そしてこれは、養子を育てておられる方も同じだと思います。プロセスがどうあれ、大切な命を育む母親は、母親です。
母親に差異も優劣も有りません。

段階毎に、具体的に述べていきます。
まず、妊娠初期ですが、私の場合、不妊治療の時期が長く、卵提供前後のケアも不妊治療のドクターにお願いしていましたので、何ら心配はありませんでした。
私が緊張したのは、不妊治療の専門病院から一般総合病院への転院時でした。
高齢初産のハイリスク妊婦ですので、出産時のトラブルに対応出来るよう、診療科目が揃っている総合病院へ移りました。
初診時に卵提供を受けての妊娠である事を伝えました。

妊娠経過を特別に注視されるかも?
卵提供による妊娠、出産はまだ臨床データが少ないので、様々な検査をされてモルモット的に扱われるかも?
夫が呼び出され、ドクターとの三者面談が何回もあるのでは?
etc、不安で疑心暗鬼、大変しんどい思いをしましたが結局、何もありませんでした。
他の妊婦と全く同じで、妊婦健診も通常通り、そして、夫との三者面談は、一切ありませんでした。
私は自然分娩からスタートしましたが難産となり、緊急帝王切開で出産しました。

手術後、自然分娩から帝王切開に切り替えた経緯及び、手術内容、結果についてドクターから夫に対して説明があり、結局、夫とドクターの面談はその1回きりでした。
私が出産した病院は、多胎や、持病があるなどのハイリスクの妊婦が多く、私は持病もなく妊娠経過も問題なかったので、特別扱いを一切されませんでした。
特別扱いされない事は、とても楽で、安堵出来ました。
卵提供について病院に伝えるかどうか、はケースバイケースで判断されれば良いと思います。

バタフライ1

前回のブログで書きましたように、出産後、
「お母さん、お乳をあげて」
「お母さん、おむつを替えて下さい」
「沐浴の練習をしましょう、お母さん」
という風に、「お母さん」を、連呼されて、周囲が母親にしてくれます。

産後すぐから、病室のベッドとベビールームを行ったり来たりして、2時間おきの授乳やおむつ替えの多忙な時期を過ごします。
その際に、「この人は、卵提供を受けてママになった人だから」といったような差別は、一切有りません。
全員が、同列で母親です。

一人目の出産なのか、二人目以降か、育児の手際の良さの差は歴然とありますが、
生まれたての、ほんのちょっとした事で壊れてしまいそうな、しかし強い生命力に輝く圧倒的な存在感の赤ちゃんを前にして、
自分の卵かどうかなど、無意味で、ドクターにも助産師さん達にも、何も言われませんでした。

母親が差別される事は一切ありません。
卵が自分のものでなくても、どうぞ、ひけめを感じたり、肩身の狭い思いをしないで下さい。
母親は、皆、母親です。

私は帝王切開で産みました。
帝王切開で出産した人の中には、ひけめを感じたり、特に、予定帝王切開ゆえに陣痛を体験しなかった人の中には、
一人前の出産が出来なかった、と後悔したり自分を責めたりする人がいます。
私は何度も流産していて、そのたびに、自分が赤ちゃんを殺してしまった、と自分を責めさいなみました。
ですので、帝王切開で出産した人が自分を責める気持ちは痛いほどよく分かります。
私の心にも刺さります。

どうぞ、自分を責めないで下さい。
「結婚してやっと一人前」
「結婚したら、子供を産んで一人前」
「自然分娩で産んで当たり前」
「自分の卵で当たり前。他人の卵を貰うなんてとんでもない」
「母親は、自分を犠牲にして、家庭を守り子育てに専心して当たり前」

一人前や当たり前。
もう、こんな紋切り型の固定概念に縛られるのはやめましょう。
楽になりましょう。
楽になって良いのです。
2017年の今、女性の生き方の選択肢は実に多彩になったにもかかわらず、
まだまだ、女性に限らず、男性の生き方も含めて、人生に対する偏狭な考えが根強く存在します。
しかし、もう、「立派な一人前にならなきゃ」という拘束から自由になりましょう。
楽に、生きましょう。

ベビールームで、数人のママ達と一緒に、お乳をあげていました。
私を含め新米ママ達は、赤ちゃんの抱っこも覚束なく、上手にお乳をふくませられなくて、抱っこの角度をあれこれ変えてみたり、四苦八苦。

赤ちゃんはお乳を吸う力が弱く、すぐに寝入ってしまうので、助産師さんに指導を受けながら赤ちゃんをくすぐったりして目覚めさせ、懸命に授乳していました。
私の隣はインド人のママでした。
上手な日本語で、
「どうして赤ちゃんはすぐ寝てしまうの、お乳を飲んでほしいのに」
と言い、母国語で子守唄を歌っていました。

すぐ隣の分娩室から、その日、5人目の産声が聞こえてきました。
お産が多いと言われる満月の晩でした。産声が聞こえると、ママ達が「あ、産まれた」とつぶやき、
今、自分の腕の中にいる赤ちゃんや、たった今、命を芽生えさせた赤ちゃんについて、皆、めいめいの想いを巡らせているのが、伝わってきます。

母親に差異は有りません。
赤ちゃんにも差異はありません。
懸命に生きていこうとしている皆の心を、満月が照らした晩でした。

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大丈夫。卵子提供を受けても、本当のママになれます!

         

子供が欲しいあなたを全力で応援するバタフライより☆彡

私は、卵子提供を受けて母親になりました。不妊治療を12年間続け、10回妊娠、10回とも初期流産しました。不妊、不育両方の体質でした。

全く妊娠しないのなら諦めもつくのですが、妊娠はするので、自分の卵で妊娠したい、という気持ちが強く、12年間も不妊治療を続ける事になったのです。

不妊治療では毎月、自分の卵をエコー検査でチェックします。
高齢になり、だんだん、卵の数が減り、なかなか大きくならないようになってきました。
このまま自分の卵に執着していたら、いずれ卵が出来なくなって、妊娠を決定的に諦めざるを得なくなる。
自問自答を繰り返しました。自分の卵がゼロになるまで続けるか、卵子提供を受けるか、どっちにする?

不妊、不育、両方の検査も受けてきました。
主治医の見解は
「妊娠を維持出来ないのは、高齢による、卵の質の低下」
というものでした。
セカンドオピニオンを求めて他院にも行きましたが、同様の返答でした。

養子縁組をしようか、「こうのとりのゆりかご」に連絡して、預けられた赤ちゃんを私達の子供にしようかetc、
色んな選択肢を考えて悩みに悩んだ末、卵子提供を受ける決意をしました。

理由は3点です。

1.養子なら夫婦との血縁は無いが、卵子提供なら、夫の精子を活かせる

2.自分が妊娠、出産を体験出来る

3.養子なら戸籍に養子と記載され、いつか子供がそれを見る心配があるが、自分で産めば、その心配は無い

 

以上の理由で、卵子提供を受けると決めました。

そこからがまた、大変な作業の連続でした。
斡旋会社選び、何より、ドナーさんとのマッチング。
渡航。
移植前後の自分の治療を受け持ってくれる病院、ドクターへの説明。
移植、妊娠に備えての身体作り・・・

それらについては今後また随時、具体的に分かりやすく書いていきたいと思っています。

この原稿では、一番伝えたいことを書きます。

「卵子提供を受けても、本当のママになれますよ、大丈夫!!」

私自身、一番悩んでいた点はそこです。
自分が苦労して妊娠、出産したにもかかわらず、遺伝的つながりは無い。
自分と似ていない子供を本当に愛せるだろうか?
育児は大変な重労働。
自分のDNAを受け継いでいない子を本当に慈しめるだろうか?

出産前のそんな悩みに対して育児中の今、断言できます。

この子は、愛おしい愛おしい私の子。出産前の心配は全くの杞憂です

バタフライ1

そう思える理由を具体的に書きます。

養子縁組した家族4人のドキュメンタリーを観た事があります。
夫婦に、親がそれぞれ違う2人の子供達。
4人全員、血縁はありません。
でも、4人皆、とても似ているのです。
顔かたちではなく、全身のたたずまいが、似通っていて、調和しておられたのです。

遺伝子ではなく、日々の生活を共にしていく中で、喜怒哀楽を一緒に体験して、共に喜び、悩み、泣いたり怒ったり笑い合ったりする積み重ねが、家族を家族たらしめ、似させていくのだと実感しました。

私の場合、卵子提供の事情を伝えていない方々からも
「雰囲気はお父さん似で目はお母さん似ですね」
とよく言われます。

自分で妊娠出来る事も、卵子提供の大きなメリットです。
妊娠期間に、健診を受け、妊婦としての経験を重ねる事で、母親としての意識を高めていけます。

そして、
「大丈夫!!本当のママになれます!!」
と私が強く断言する最大の理由は
「自分自身ではなく、周囲がママにしてくれる」
という事実です。

出産直前まで、私達は妊婦で、氏名で呼ばれます。
ところが、出産直後から、「お母さん」と呼ばれます。
いきなりの変化です。
そこからは、
「お母さん、お乳をあげて」
「お母さん、おむつを変えて」
「沐浴の練習をしましょう、お母さん」
「お母さん、しっかり抱いて」
「体調はどうですか、お母さん」
「あ、赤ちゃんがママを見て笑ったね」etc

出産後、退院するまで、ドクターや助産師さん達から、とにかく、お母さん、ママ、と連呼され続けます。

その後の育児生活でも、お世話になる保健師さん、保育士さん、スーパーで出会う方々、近所の皆さん、お出かけ先でエレベーターで乗り合わせた方々などなど、ありとあらゆる皆さんから、お母さん、ママ、と呼ばれ続けます。

それは一生、続きます。

出産直後で心身共に大変不安定な時期、周囲の方々があなたに
「お母さん、子育て大変でしょう。頑張ってね」
と言って下さいます。

皆さんがあなたを母親にして下さいます。
そして、色んな不安を最大限に払拭してくれるのは我が子です。
母親を無垢な心で信頼し、身を預けてくる子。もちろん、育児はバラ色では有りません。

私は、産後高血圧に悩まされ、心身のバランスが乱れに乱れ、しょっちゅう、泣いていました。
でも、私が泣くと、子供がものすごく悲しそうな顔をするのです。
私は涙を見せないよう踏ん張ります。

最も強力に、あなたを母親にしてくれるのは、子供自身です。

21世紀の今、家族の形態は多様化し、ライフプランも選択肢がいっぱい有ります。
その中で卵子提供を受けようか悩んでおられる方々に、私の体験、考えがお役に立てればとてもhappyです。

移植から2年後、保育園の運動会で我が子と一緒に、かけっこをしました。
手をつないで20メートルほどよちよち進んで、アンパンマンせんべいをゲットするのです。

グラウウンドで二人で見上げた青空と、2年前の移植の時に、異国の地で一人で見上げた空を比べて、
世界じゅう、空は自由に広がってつながっている、と思いました。

バタフライ3

 

 

 

 

 

 

 

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