タグ別アーカイブ: 不妊治療

早発閉経の方も卵子提供で妊娠できる

         

早発閉経とは?

早発卵巣不全は一般に40歳未満で無月経となる疾患です。早発閉経ともいわれます。
20歳代の女性でも0.1%(千人に1人)、30歳代の女性の1%にみられ、無月経の原因の約10%をしめます。
20歳代で閉経というと少し驚きますが、何らかの理由で生まれつき卵子があまり作られない人がいるのです。
早発卵巣機能不全はPOFと略されたり、POIと略されたりします。
この略称は以下の英文の頭文字となっています。
POF =Premature Ovarian Failure=早期の卵巣機能停止
POI  =Premature Ovarian Insufficiency=早期の卵巣機能不全
一般的にPOFということが多いので、ここではPOFとします。

POFの原因は?

日本人の平均的な閉経年齢は50歳です。女性の出産可能な年齢の限界は閉経の10年前と考えられているので、40歳ぐらいが出産可能な年齢の境界ということができます。
POFは卵巣内の卵胞が枯渇してしまった場合と、卵巣内に正常な卵胞が存在する場合に分類されますが、ほとんどの場合は卵胞の枯渇によるものです。
卵子は胎児期に卵巣でつくられますが、その後新たにつくられることはありません。POFは何らかの原因で卵子が急激に減少してしまったり、もともと胎児期の原始卵胞数が少ないケースがあります。

POFに至る原始卵胞の急激な減少の原因は様々ですが、以下の原因で急激に減少するとされています。
①Xモノソミーまたはそのモザイク、X染色体末端欠失などのX染色体異常によるもの
②アジソン病、橋本病などの自己免疫疾患によるもの
③ダイオキシン等の環境汚染によるもの
④医療行為としての放射線、抗がん剤によるもの
⑤生殖年齢における子宮内膜症性嚢胞などため卵巣嚢腫切除などの手術を原因とするもの

さらに原因遺伝子とされる候補遺伝子がいくつかあって、遺伝性疾患として研究も進められていますがまだ確定されていません。
このように様々な原因がありますが、実は大部分のPOFは原因不明で、その原因はよく分かっていないのが実情です。

卵子提供のアクトワン

POFの症状は?

POFの症状としては月経不順や無月経が代表的な症状とされます。ほてり、のぼせ、動悸などの更年期症状が出現することもあります。
ゴナドトロピンに反応する卵子が枯渇しているので、卵巣からのエストラジオールの分泌が低下して、この結果高ゴナドトロピン血症となるのです。

POFの診断としては、以下の4つに当てはまる場合としてはいますが、明確な診断基準はありません。
①40歳未満の3ヵ月以上の連続した無月経
②脳にある下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)の血中濃度が30mIU/ml以上
③卵巣から分泌されるエストラジオールが10~30pg/mlと低値である
④AMHが0.1ng/ml 未満である

POFの治療法は?

POFは、そもそも卵子の枯渇が原因であるか、枯渇前の極端な卵子の減少を原因とするので、効果のある治療は存在しませんし、治療してもその効果はとても低いため治療価値が失われています。
かつては残存する卵子を確認するために、卵巣の生検なども行われていたようですが、この治療にも意味がないために、現在では行われていません。
治療法としては、一般的には女性ホルモン剤を長期間内服(カウフマン療法)したり、FSHの分泌を抑制するGnRHアゴニストを使用して、FSH値を正常化した後に排卵誘発剤を使用して排卵させるなどの治療方法があります。

また最近では卵巣を摘出し、卵子を活性化後に卵巣を移植し、体外受精を行う方法、原始卵胞体外活性化法(IVA:in vitro activation)を試みている施設もありますが、まだ実験段階で効果があるとは言えない状態ですし、病気でもない正常な身体に2回にわたってメスをいれるなど、治療を受ける方の負担も相当に大きいため、安易におこなわれるべき治療ではありません。
このように、POFには治療法がないために、POFの方が妊娠を望むのであれば、卵子の提供を受けるしか方法はありません。
海外ではPOFによる不妊に対しては卵子提供が一般的で、不妊治療として確立されています。

メディカル・ツーリズムをご存知ですか?

POFで悩まれている方は、ぜひ卵子提供をご検討下さい。
日本では卵子提供は業界の自主規制のために行われていないので、卵子提供を受けようと希望される方は、エージェントを利用して海外のクリニックで治療することになります。
Act Oneアクトワンも卵子提供のプログラムをご提供する日本法人であるエージェンシーです。

このように、自分の求めている治療のために海外に行って医療を受けることをメディカル・ツーリズムと言います。メディカル・ツーリズムは今や世界中で盛んに行われています。
アクトワンの提携するクリニックのある、マレーシアやアメリカは、国をあげてメディカル・ツーリズムに力を入れています。
いまやメディカル・ツーリズムは特別なことではなく、世界中の人が自分にあった治療を受けるために、気軽に海外に旅行する時代となっているのです。

卵子提供 妊娠判定

卵子提供プログラムとは

それでは、卵子提供とは何でしょう。卵子提供とは不妊治療の手法の1つで、例えばPOFのように、なんらかの原因で奥様の卵子が使えない場合に行うプログラムです。
卵子提供プログラムは若い健康な女性から卵子の提供を受けることによって、最終的には奥様がご自身で妊娠・出産することを目的としています。
このプログラムでは、卵子提供をするエッグドナーから卵子の提供を受けて、ご主人の精子とドナーの卵子を顕微受精の方法で受精させます。
ここでつくられた受精卵(胚)を奥様の子宮に移植することによって、妊娠が成立して、奥様が実際に妊娠し出産します。この一連の流れを卵子提供プログラムと呼びます。

若いエッグドナーから卵子の提供を受けることによって、子宮には問題がなく、卵子の要因で不妊であったケースでの妊娠率、出産率は格段に上昇します。
日本では出産した女性が「実母である」との定義付けられているので、奥様が自ら出産したお子さんは、ご夫婦の戸籍上の実子となります。

アクトワンの卵子提供プログラム

アクトワンでは、不妊に悩むご夫婦のために、海外での卵子提供プログラムを提供しています。
正式にAct Oneアクトワンと卵子提供契約書を締結すると、海外渡航して、提携先のクリニックの医師の初診を受けて検査や採精を行います。
卵子提供を受けるご夫婦は海外への1次渡航と前後して、エッグドナーの選定をおこないます。

エッグドナーが決定すると、ドナーは日本国内で事前検査を受けます。ホルモン値や卵巣機能、感染症の有無を確認するためです。
すべての検査項目で問題のない方だけが、正式にエッグドナーとなることができるのです。
正式にエッグドナーが決定されると、エッグドナーは海外に渡航・滞在して、クリニックで排卵誘発を行って採卵します。
採取された卵子は、ご主人の精子と顕微授精されます。

受精卵は5日から6日間培養され、胚盤胞になったものを凍結保管し、2次渡航で海外を訪問した奥様の子宮に移植します。
海外では着床前診断(PGS)を受けることを選択することができます。PGSではすべての染色体の検査を実施しますので、遺伝子異常のない正常な胚のみを移植することが可能です。
このために胚の着床率も上がり、流産率を低下させることができるのです。PGSの結果から男女の別も判明します。ご夫婦が希望すれば、正確な男女の産み分けも可能になるのです。

赤ちゃんを望む多くのご夫婦が、卵子提供プログラムを受けることによって妊娠、出産し、幸せな家庭を築いています。
アクトワンはお子様の誕生を望むご夫婦の力になれることに、誇りを感じています。ご夫婦の喜びが、すなわちアクトワンとそのスタッフの喜びでもあるのです。

 

卵子提供と高齢出産のはなし

         

海外で卵子提供を受けられて、国内で出産される方が年々増加しています。
エッグドナーから卵子の提供を受けて、妊娠・出産する場合はリスクが高いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。

本当に卵子提供はリスクが高いのか?

卵子提供プログラムで、妊娠・出産をされる方がリスクが高いと言われる理由としては、高齢出産の割合がとても高いからだと言えます。
卵子提供プログラムを選択される方は、国内での不妊治療をずっと継続してこられた方で、自己卵での妊娠を断念された方が多く、それでも赤ちゃんをあきらめきれない方々なので、必然的に年齢が高くなる傾向があります。経験値で言えば、卵子提供プログラムを検討し始める平均的な年齢は43歳ぐらいからでしょう。
こういった自己卵での不妊治療を卒業してから、卵子提供プログラムに移行するという流れを考えれば、卵子提供=高齢出産となるわけです。
これを考えれば、卵子提供プログラムでの妊娠・出産の自体のリスクが高いわけではなく、卵子提供のリスクと言えばそれは高齢出産のリクスということになります。

高齢出産の実態について

日本に於ける高齢出産とは、35歳以上で初めて出産される方をいいます。WHOの定義でもそうなっていて、諸外国の定義も同様です。以前は日本では高齢出産とは30歳以上で初めて出産される方を言いました。
厚生労働省の「人口動態統計」に、赤ちゃんの出生データがあります。
これを見ると確実に晩産化が進んでいることがわかります。第1子出生時の母親の平均年齢をみてみると、1975年には平均25.7歳であったものが、2015年には平均30.7歳と、40年間で平均年齢が5歳も上昇しているのです。
このデータが示すことは、以前の日本の定義を当てはめれば、第1子の出産年齢の平均がすでに、高齢出産ということになってしまっているという事実です。
そして、第2子以降の出生データも含めると、出産時に40歳以上である比率は5.3%にまで増加するのです。
一般的に年齢が高くなればなるほど、生活習慣病をはじめとする様々な疾病が増えてくるといえます。
その中には子宮筋腫やポリープ、高血圧症や高血糖など、女性の妊娠・出産の妨げとなり得るものや、骨粗鬆症といった妊娠・出産を通じて注意すべきことも増加するのです。

アクトワンの卵子提供

高齢出産のリスクにはどんなものがある?

高齢妊娠・出産の場合に、まず挙げられるリスクがダウン症などの染色体異常の割合が高まる、ということです。
染色体異常は卵子や精子の老化現象が原因のひとつであると言われています。老化だけが原因ではありませんが、実際に母親の出産年齢が上昇するにつれてダウン症の発症率も高くなる傾向にあることは確かです。そして染色体異常によって流産の確率も高くなります。
卵子提供による妊娠では若く健康なエッグドナーから卵子の提供を受けますので、このような卵子の老化に起因する染色体の異常はそもそも少なくなります。
加えて、海外では着床前診断(PGS)を受けることが可能ですので、染色体異常のない正常な胚を移植することができます。
卵子提供プログラムでは、染色体異常に対する心配と、染色体異常が原因となる流産の心配はありません。
次のリスクとしては、妊娠中特有の病気があります。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などがこれにあたります。
妊娠高血圧症候群は、従来妊娠中毒症と呼ばれていたもので、妊娠中や出産後に高血圧やタンパク尿が認められた場合に診断されます。
35歳以上のかたや、糖尿病、高血圧、腎臓病の既往がある方と肥満の方はなりやすいので予防に努めることが必要です。食事は薄味、体重管理と十分な休養を心がけて下さい。症状が重いと入院する必要があります。
妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて発症した糖尿病のことです。妊娠糖尿病では、母体はもちろんのこと、胎児にも様々な影響が出てきます。
母体では尿路感染症、流産、羊水過多などの症状が、胎児では巨大児、胎児死亡、新生児の呼吸障害などが起きやすくなると言われています。
こちらも食事療法と運動療法が中心で、重くなるとインシュリン注射を行うこともあります。
どちらも通常は妊婦全体で約10%の発症率とされていますが、35歳以上では約14%〜18%と発生率が高くなる傾向にあります。
出産には様々なリスクがある事を理解して出産にのぞまれる方とそうでない方では、いざ出産となったときの安心感が違ってきます。
20代の出産と高齢出産では体力差もあり、備えるべきリスクも違ってきます。体力不安も出てくる年齢でもありますから、規則正しい生活、栄養バランスに優れた毎日の食事を心がけ、適度な運動も取り入れることで体力の衰えをカバーすることが出来ます。
備えあれば憂いなしという言葉もあるように、食事・運動・体重を厳格に管理することが、高齢出産ではとても大切なことであると認識しましょう。
高齢出産といえども、卵子提供プラグラム受けられて無事に出産を終えられ、楽しく子育てをしている方はたくさんいらっしゃるのです。

卵子提供のアクトワン

産院には卵子提供による出産であると伝えよう

卵子提供での妊娠であることに少しでもご不安をお持ちであれば、卵子提供を受けた妊娠である事をかかりつけの病院・ご出産予定の担当医師に事前にお伝えになられるのもひとつの方法です。
理解されている、という安心感はストレスの軽減にも繋がりますし、医療機関側としてもあらゆるリスクを想定しての治療体制作りに役立てることができます。
近年は、卵子提供を海外で受けられて国内で出産される方も増加していますので、国内の病院でも高齢出産の妊婦に卵子提供を受けたかどうかを確認する病院も増加しています。
そうすることにより、様々なリスクを想定した医療体制を整えることができるため、ということです。
国内でも総合周産期母子医療センターではこのような卵子提供での出産例を多く扱っている為、卵子提供での妊娠である旨を告げても受け入れもらえないということはありません。

Act Oneアクトワンでは移植後のフォローアップのクリニックご紹介を含め、ご出産時の医療機関選びについてのご相談も承っております。
ぜひお気軽にご相談下さい。

 

卵子提供と代理出産はなにが違うの?

         

不妊治療を長い間続けたけれど、国内の不妊治療クリニックでは、最終的に成果があがらず妊娠できなかったけれども、それでもやっぱり赤ちゃんが欲しいと望まれる場合に、ご夫婦が赤ちゃんを授かる方法として、卵子提供や代理出産を利用される方が年々増加しています。

卵子提供とはどんなものか

それでは、卵子提供とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
卵子提供とは不妊治療の手法の1つで、なんらかの原因で奥様ご自身の卵子が使えない場合に行うプログラムのことです。

この卵子提供プログラムでは、第三者の20代の健康な女性から、若い卵子の提供を受けることによって、最終的には奥様がご自身で妊娠・出産することを目的としています。
20代の健康な女性から卵子の提供を受けることにより、ご自身の子宮には問題がなく、卵子の老化を始めとする卵子の要因のために、今まで妊娠が難しかったご夫婦でも、妊娠率・出産率は飛躍的にアップし、赤ちゃんを授かることができます。

このプログラムでは、体外受精で作られた受精卵を奥様に移植し、奥様自らが妊娠し、出産するので、誕生したお子さんはご夫婦の戸籍上の実子となります。
日本では出産した女性が「実母である」との定義付けがなされているからです。

卵子提供の手順

卵子提供では、まずご主人の精子とエッグドナー(卵子ドナー)の卵子を顕微授精させます。
受精させた卵子は、胚盤胞と呼ばれる状態になるまで培養されます。受精卵は5日目か6日目には胚盤胞にまで成長します。

胚盤胞の状態になると、着床前スクリーニング(PGS)のために、将来胎盤になる部分の細胞の一部を切り取って遺伝子検査をします。PGSをした後で、遺伝的に正常な胚のみを凍結保管します。
その後、奥様の都合の良いタイミングでその受精卵を奥様の子宮に移植し、奥様が妊娠、出産され、お子様を授かるという流れとなっています。

卵子提供を利用された場合は、ご主人の遺伝子しかお子様には受け継がれません。しかしながら、赤ちゃんは280日もの長い間、お母さんのお腹の中で成長します。
奥様は日々、胎動を感じながらご自身のお腹で赤ちゃんを育て、奥様は我が身をもって生命の誕生を体験するのです。

こうして奥様と生まれてくる赤ちゃんとの間には強いきずなが生まれまるのです。生命の誕生から、その後の日々の子育ての経験を通して、その絆はますます強固なものになるのです。
もちろんこうして誕生した赤ちゃんは、日本の法律ではご夫婦の実子として戸籍に記載されます。

赤ちゃんとママ
赤ちゃんとママ

代理出産には様々なタイプがある

代理出産は、ご自身の卵子には問題がないけれども何らかの要因によりご自身の子宮では妊娠・出産が難しい場合、またはご病気等によりそもそも妊娠・出産が難しいといった場合に選択されるプログラムです。
一般的な代理出産はご主人と奥様の受精卵を第三者である代理母の女性の子宮に移植し、代理母が妊娠・出産し、お子さまを授かるというプログラムです。

子宮に問題があるために、赤ちゃんを持つ夢をあきらめていた方や、子宮の機能がないために苦しんでいた方、そんな方々でも、赤ちゃんを授かることができるのです。
妊娠と出産の過程を代理母が「担当」しますが、産まれてくるお子さまはご夫婦の遺伝子を100%受け継いでいるということになります。

代理出産プログラムには、この他にもさまざまなケースがあります。ご自身の卵子では妊娠が難しいという場合には、エッグドナー(卵子ドナー)から提供された卵子とご主人の精子を顕微授精させて、得られた受精卵を使って代理出産ということも可能です。

また妻の卵子と第三者から提供をうけた精子を顕微授精し、できた受精卵を代理母となる女性の子宮に移植して代理母が妊娠・出産する場合もあります。
この他にも第三者より提供をうけた精子と第三者から提供された卵子を用いて体外受精をおこない、できた受精卵を代理母となる女性の子宮に移植し、代理母が妊娠・出産するケースもあります。

このように様々タイプの代理出産は、卵子に問題のある方、子宮に問題のある方、無精子症の方、これらが複合的にある方でも対応が可能です。

代理出産ができる国は少ない

インドでは商業的な代理出産は禁止となりました。また法整備の見直しをする国もあります。
現在、関係法が整って、合法的に代理出産が認められているのは、米国(カリフォルニア州など)や、ウクライナ、グルジアしかありません。
その他の地域で代理出産プログラムが行われているとすれば、それは法律が未整備の上、政治情勢等が不安定で、地政学的なリスクの高い国での代理出産プログラムとなると思われますので、避けた方が賢明です。

アメリカ(米国)では卵子提供や代理出産を「不妊治療」のひとつの選択肢として認め、きちんとした法整備もなされていますので、その他の国のように政治情勢の変化で「急に禁止になった!」等の心配がなく、とても安心です。
アクトワンでは、法的にも実績的にも信頼のできるアメリカカリフォルニア州での代理出産プログラムをご案内しております。また、代理出産プログラムの進行では、ご夫妻が安心してお子様を授かれる様にさまざまなバックアップをさせていただいております。

代理母へのお願い
代理母へのお願い

卵子提供と代理出産をするならエージェンシーを通して

どちらの方法も、子どもを望む女性がなんらかの理由で、自らの子宮や卵子を使って妊娠・出産できない場合に利用されるプログラムです。
そしてそのどちらも海外のクリニックで治療をするために、代理出産や卵子提供プログラムを受けられる方は、エージェンシーを通してプログラムを進めるということになります。

代理出産や卵子提供を国内で受ける事は事実上困難でありますし、関係する法律が未整備な日本での卵子提供や代理出産は、プログラムを受けるご夫婦が法的に守られないので避けましょう。

アクトワンの卵子提供プログラムや代理出産プログラムは、内容が他社よりも充実しているのに、他社よりも良心的な費用となっています。
赤ちゃんを望むご夫妻が、安心してアクトワンにまかせていただけるように、プログラムについての、さまざまなご質問を受付ています。
ぜひ、お気軽にご相談ください。

チョコレート嚢胞の方は卵子提供による妊娠も選択肢

         

あなたには我慢できないような生理痛はありませんか?
例えば、あまりの痛みで吐き気をもよおすとか、痛くて日常生活を円滑に送れないとか、痛みのために寝込んでしまうとか、その痛みが生理のたびに、だんだんと強まっていくなら、あなたはチョコレート嚢胞の可能性がありますので、早めに婦人科を受診しましょう。

チョコレート嚢胞を知っていますか?

チョコレートというとお菓子を連想して、甘くて美味しいイメージですが、このチョコレート嚢胞(正確には卵巣チョコレート嚢胞といいます)は全くそんな甘いイメージとは違う卵巣の病気です。
チョコレート嚢胞は女性の「生活の質」を低下させる婦人科疾患の1つなのです。超音波検査(エコー)やMRI検査で診断することができます。
チョコレート嚢胞は子宮内膜症の一つで、卵巣の内部に子宮内膜症が発生したものを言います。
子宮内膜は子宮の内側にある組織で、受精卵がうまく着床できるように、女性ホルモンの影響で厚くなりますが、妊娠が成立しない場合は月経血とともに子宮から排出されます。
この子宮内膜が何らかの原因で卵巣内部にできるのがチョコレート嚢胞です。
卵巣内で増殖した子宮内膜からは月経ごとに出血が起こり、出血は卵巣に貯留して囊胞を形成します。
古くなると子宮内膜と血液は酸化して泥状に黒っぽくなり、溜まった内容物の見た目がチョコレートのようになるので、チョコレート嚢胞という名前がつきました。

チョコレート嚢胞は不妊の原因

実はチョコレート嚢胞の原因はよく判っていません。月経血が腹腔内に逆流するためだとか、腹膜が子宮内膜のように変化するため、とか様々な説がありますが、これらで説明できないケースもあります。
女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の作用で子宮内膜は増殖しますので、エストロゲンの分泌量が増加する20~30歳で発症しやすく、妊娠・出産ができる年齢の女性の約10%に子宮内膜症が発症するといわれます。
卵巣が腫れ上がって排卵が起こりづらくなる上に、卵巣内の血流の減少もあって卵胞の発育が阻害されます。また、子宮内膜症の炎症によっておこった癒着が卵管に波及すると、卵管がくっつき閉塞するので、せっかく排卵が起こっても精子と卵子が出会えなくなったり、受精卵が子宮へと到達できなくなって不妊となります。
チョコレート嚢胞がすぐに不妊症を引き起こすわけではありませんが、放置しておくと不妊のリスクが高まることは確かです。チョコレート嚢胞の女性の50%は不妊とも言われています。

薬物治療もある
薬物治療もある

チョコレート嚢胞の治療法は?

治療法には薬物療法と手術療法があります。薬物療法には、「低用量ピル」、「プロゲスチン経口剤」、「GnRHa療法」などがあります。
いま現在妊娠を望んでおらず、4cm以下のチョコレート嚢胞の女性には低用量ピルが最適です。副作用が少なく、長期間使用できるからです。
肥満・高血圧・糖尿病などの症状のある女性にはプロゲスチン経口剤を投与します。
痛みは取れますが、不正出血やほてりなどの副作用があります。
薬物療法ではホルモンの分泌をコントロールするため、同時並行で妊娠を希望するのは難しくなります。そこで、妊娠を希望している女性で3~4cm以上の卵巣チョコレート嚢胞の女性では、年齢及び子宮内膜症の進行度により、手術よりも不妊治療を優先することもあります。
手術は腹腔鏡下手術が主流です。卵巣を温存する場合は嚢胞部位だけの摘出や癒着部位の剥離、病巣を焼き切るなどします。
術後5年間で約30%の症例にチョコレート嚢胞が再発するので、術後早期の妊娠、再発予防の薬物療法を含めた術後管理が大切です。
チョコレート嚢胞は良性腫瘍である場合がほとんどですが、そのうちの1%程度はがん化することがあります。
40歳以上や嚢胞の直径が5cm以上では卵巣がんを合併しやすいといわれ、10cmをこえると卵巣がんは急増すると報告されています。40歳以上で妊娠を希望しない場合や、悪性腫瘍が疑われる場合には、卵巣、卵管、子宮を摘出することもあります。
このようにチョコレート嚢胞は放置しておくと不妊の原因になるだけではなく、癌化して命にかかわることもある病気です。
気になる方はすぐにでも婦人科を受診しましょう。それがチョコレート嚢胞の早期発見・早期治療につながります。
チョコレート嚢胞の早期発見・早期治療は、あなたの人生設計や、あなたの生活の質の向上にプラスになるのは間違いありません。

チョコレート嚢胞の方は卵子提供も選択肢

このように、チョコレート嚢胞が原因で、卵巣機能が低下して卵子がうまく育たない場合や、根治治療のために卵巣を全摘する手術を受けた場合には、卵子提供による不妊治療も選択肢となります。
卵子ドナーから卵子の提供を受けて、パートナーの男性の精子を受精させて受精卵を作り培養します。
こうして得られた胚盤胞にPGS(着床前スクリーニング)を行うことによって、染色体異常のない胚のみを凍結保存します。
PGSを行うことで、流産のリスクを下げることができるからです。凍結された卵子は、半永久的に保管が可能です。
あたなはご自身の体調、子宮内膜症の治療の経過や、ホルモン剤による子宮内膜の調整などの様々な要因をクリアしながら、万全の状態を作ってあなたの子宮に受精卵を移植するタイミングを計ることができます。

赤ちゃんとママ
赤ちゃんとママ

アクトワンの海外での卵子提供プログラムは、その成功率も高いので、あなたのチョコレート嚢胞の状態次第では、手術による治療を進めてから、卵子提供によって赤ちゃんを授かるという方法も選択できるのです。
チョコレート嚢胞とまさに闘っている女性にとって、最終的に妊娠・出産することを選択できる方法が残っていることは、激しい痛みや再発の恐れを取り除くための、今後の治療方法の選択に大きく影響を与えますし、治療を受けるあなたの気持ちにも少なからずプラスに作用すると思います。
アクトワンでは個別の無料相談会を随時開催して、たくさんの方に門戸を開いています。あなたとあなたのパートナーを取り巻く状況は様々で、一様ではありません。
だからこそ、卵子提供について検討してみるのもいいかも知れません。
そんな時にアクトワンの無料相談会に出向いて、卵子提供についての詳しい話を聞いたり、プログラムの流れを確認したりすることは、将来的な選択肢を増やすことに繋がるのです。

 

不妊治療では卵子提供も検討しよう

         

不妊治療には大きく分けて、「一般不妊治療」と「高度生殖医療(ART)」と呼ばれるものと2種類があります。

一般不妊治療と高度生殖医療(ART)とは?

妊活ではまず婦人科クリニックでの初診検査を行います。
検査で特に問題が見つからなかった場合には、まず一般不妊治療からスタートします。一般不妊治療には、タイミング法、人工授精(AIH)があります。
一般不妊治療を何度か試して成功しない場合には、体外受精などの高度生殖医療にステップアップしていくのが、日本の場合は一般的な流れとなっています。

タイミング法とは?

タイミング法は一言で言えば、排卵日を予測して性交渉するというものです。
妊娠するには、排卵後、卵子が生きている半日から1日程の間に精子と出会う必要があります。このために、排卵日の2日前から排卵日までに性交渉があると妊娠し易いのです。
排卵日を予測するためには、2つの方法があります。一つは自分で基礎体温をつけて、排卵日を予測する方法。
もう一つは医師の指導を受ける方法です。卵胞の大きさや尿中のホルモンを測定し、排卵日を測定します。排卵日の周辺で数回の通院が必要としているクリニックが多いようです。

排卵誘発剤を使用して卵巣刺激を行い、排卵を起こしてタイミング法や人工授精をすることもあります。
排卵誘発法は、本来は月経不順で卵巣機能不全が疑われる場合や排卵障害のある患者さんに対して、排卵を起こすという目的の為に使われる治療でしたが、人工授精での妊娠率を高める目的や、体外受精などの生殖補助医療の際にも広く使われるようになっています。排卵誘発剤を使用したタイミング法は保険適用になります。

人工授精とは?

人工授精は採取した精液から運動している精子だけを洗浄・回収し、妊娠しやすい期間にチューブを使い子宮内に注入する方法です。
この方法では、精子が卵子と出会うための移動距離を短くすることができるので、受精の可能性を高めることができます。
厚生労働省による厚生科学研究のデータによると、人工授精で妊娠した例の約80%は7回目以内に妊娠しているようです。その例での治療回数の平均は4.6〜3.6回となっています。

基礎体温表をつける
基礎体温表をつける

体外受精とは?

体外受精では、まず排卵誘発剤を使って卵巣を刺激して卵胞を育てます。
卵胞が育ったら、経膣で卵巣から卵子を採取(採卵)して、あらかじめ採取してあった精子と受精させます。
シャーレに入れた卵子に、培養士が洗浄・濃縮処理を行った精子を振りかけ、培養器にいれて自然に受精するのを待ちます。
体外受精とは、培養器の中で受精卵となった卵子を、移植できるようになるまで培養し、それを子宮に移植する方法を言います。
日本での臨床応用は1982年からです。体外受精は人工授精の一般不妊治療では妊娠しない場合に行われることが多い治療方法です。

顕微授精とは?

体外受精の中でも、受精のプロセスを人の手で行うものを顕微授精と言います。
通常の体外受精では卵子と精子をシャーレに入れて、自然に受精するのを待ちますが、顕微授精では顕微鏡下で卵子の中に1個の精子を直接注入します。
現在主流になってい顕微授精の方法は、細胞質内精子注入法(ICSI)で、顕微鏡で覗きながら髪の毛ほどの細井ガラス管で精子を吸い込み、卵子の細胞質に刺して注入します。
ICSI(イクシー)による受精の確立は非常に高く、平均70%から80%と言われています。

卵子の老化が不妊の原因

不妊治療の方法にはこのように、いろいろな種類がありますが、これらの治療において注意が必要なことは、あくまでも精子と卵子にそれぞれ妊孕性(にんようせい。=妊娠する力)が残っている、という場合にのみ有効であるということです。
女性は35歳以上になると、妊娠率の低下のみならず流産率も増加してきます。これは加齢による卵子の染色体異常や受精後の胚の発育不良によって起こると考えられています。
女性の加齢により、卵子の質の低下が起きることは様々な事実からも明らかになっています。
ただし、何故卵子の質が低下するのか?というメカニズムは明らかになっておらず、残念ながらその予防法がないというのが現状です。

自己の卵子を用いた治療では、女性の加齢に伴い、妊娠・生産率は低下します。しかし、若い年齢の女性からの卵子提供を受けると、女性の加齢による妊娠・出産率の低下はみられなくなります。
これはつまり、女性の加齢に伴った妊孕力低下=卵子の質の低下、が主な原因であることを示しています。

卵子提供 顕微授精

卵子提供の成功率は?

米国疾病予防管理センターの生殖補助医療統計によると、卵子提供での出生率は50%〜70%となっています。
自己卵での不妊治療では閉経年齢に差し掛かる45歳以降は殆ど出生を望めないといえますが、若い健康な女性から提供された卵子を用いた場合は、その45歳を過ぎても50%超の出生率を示しています。
これはいかに若い卵子の力(ちから)が妊娠・出産において重要な役割を担っているかを明確に示すものだということができます。
この妊娠確率は、米国疾病予防管理センターの生殖補助医療統計におけるデータです。個々のクリニックの実績・成績は異なるものになります。この数字はあくまでも「平均値」であるため、各クリニックの実績データを確認することが大切です。ご存知のとおり、「平均値」とは「真ん中」の値、となりますので、成功率の高低にはかなりの開きがある、ということを念頭にクリニックの選定をしたいものです。

高い成功率の裏に潜むリスクとは?

卵子提供エージェンシーがホームページやWEBサイトで掲げている成功率のデータの中には、通常では考えられないような高率の成功率があり驚くことがあります。
(中には成功率90%などと謳っているエージェンシーもあり)
しかしながら、よくよく聞いてみると、高率の成功率の裏にはカラクリがあって、「胚盤胞を2個同時に子宮に移植した場合の成功率」だった、ということもあるのです。
ドナー卵子による受精卵は着床率が非常に高いため、1個1個の受精卵は高い着床の確率を持っています。
2個同時の移植では、多胎のリスクがあるので注意が必要です。
卵子提供を受ける奥様は一般的に高齢出産であることが多く、多胎妊娠では早産未熟児の産まれる可能性がとても高い上に、母体への負担も非常に大きいのです。
このような高い妊娠成功率を謳っているようなクリニックや卵子提供エージェンシーは信用できないと考えた方がいいでしょう。

PGSの技術が発達した現在では、「1回の移植においては1個の胚を」ということが主流となっています。
ただ、強い希望があった場合、(子宮の状態にもよりますが)同時に移植できる胚盤胞は2個までとしているクリニックが多いようです。
胚盤胞にまで育った胚をより多く移植すれば、その分、妊娠の確率は高くなりますが、多胎のリスクがあることには充分に留意する必要があります。
いくら妊娠の確率を上げるためとはいえ、むやみに移植する胚盤胞の数を増やして、多胎妊娠の可能性を高めることは避けた方がいいのです。

これらのことから、卵子提供プログラムによる妊娠の成功率を比較する場合には、表面的な成功率を見るだけではなく、いくつの胚を移植をしてその成功率となったのかを、必ず確認することが大切です。

たとえ成功率が高くても、移植した受精卵の数が多ければ多胎妊娠のリスクが高まります。まずは正しく情報を見極めましょう。

卵子提供は胚盤胞まで培養する技術、PGSの進歩、胚の凍結技術(ガラス化法)が支えている

         

エッグドナーさんからの採卵

アクトワン・ActOne の卵子提供プログラムでは、エッグドナーさんに、日本のクリニックで、感染症の有無、ホルモン値の検査、子宮頸がんの検査、卵巣のチェックなど、たくさんの項目の事前検査を受けてもらいます。
その結果が良好であれば、エッグドナーさんは、ピルで生理周期を整えて海外へ渡航します。
ドナーさんはその後約2週間、排卵誘発をして、卵子の採取に臨みます。ここで採取される卵子は、ドナーさんにもよりますが20個から40個にもなります。
採取された卵子は、成熟卵と未成熟卵に分けられて、成熟卵のみが、予め凍結されている、レシピエントご夫婦のご主人様の精子と顕微授精されます。
ここで受精した卵子は、インキュベータの中で5日から6日培養されて胚盤胞となります。育った胚盤胞は、PGSのために組織の一部を採取した後にすべて凍結されて保管されます。

ハワイクリニック機材6

受精卵を胚盤胞まで育てるのはとても難しい

アクトワンの提携する海外のクリニックでは、前述のように、受精卵はすべて胚盤胞まで育てるべく培養されます。
受精した胚は48時間後には4細胞、72時間後には分割して8細胞になります。体内とは異なった環境で、胚を長期に培養して胚盤胞まで培養することは、実はとても難しいのです。
受精卵の中ではさまざまな生化学的な変化が起こっていて、胚の成長の過程で糖や他のエネルギー源やアミノ酸を培養液に加えてあげる必要があります。
この過程がとても難しいが故に、現在でも不妊治療のクリニックで、Day2やDay3の受精卵を子宮に戻してしまうということが行われています。
Day2やDay3の受精卵よりも、胚盤胞にまで育った受精卵の方が着床率も妊娠率も高いのは言うまでもないことです。
なぜならば、自然妊娠で着床が起こるのは5日から6日目の受精卵で、2日や3日目の受精卵は着床できないからです。

新鮮胚よりも凍結胚が良い理由はこんなにある

実は新鮮胚と呼ばれる凍結しない受精卵を使うよりも、凍結された凍結胚を使ったほうが、妊娠率が高いのです。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
常識で考えても分かるように、受精卵も凍結すれば多少なりとも受精卵の質は低下します。それはみなさんが、お肉や魚を冷凍して解凍する様子を見ていれば、よく分かるはずです。それにもかかわらず凍結胚の方が妊娠率が上がるのは、凍結により受精卵を子宮に戻すタイミングをコントロールできるからです。
アクトワンの卵子提供プログラムでは凍結胚移植にあたって、奥様の子宮内膜の調整には万全を期します。奥様にはエストレースやメドロール等を服用していただいて、子宮内膜が十分な厚さになるように調整するのです。
子宮内膜が厚さ6ミリに満たない場合には、残念ながら凍結胚の移植スケジュールはリセットされるくらいです。
最近は奥様もお仕事をしている方が多く、なかなか休暇が取れません。こんな時でも、奥様の都合の良いタイミングで、奥様の生理周期を調整して、ベストコンディションで胚移植が行われ、子宮内膜に着床させることが可能になったのは、受精卵が凍結されているからです。
また、凍結胚移植による妊娠では、子宮外妊娠の発生頻度が新鮮胚移植よりも圧倒的に低くなることが判っています。
新鮮胚移植では、排卵誘発→採卵→体外受精→受精胚の移植の工程が連続的に行われるために、胚を子宮に移植するタイミングが、女性ホルモンの血中濃度のとても高い時期に重なるためとも言われています。この人為的に高められたホルモン濃度が何らかの影響を与えて、子宮外妊娠につながる可能性があるのです。
それだけではありません。凍結胚移植では、早産率が低くなり、低体重児の出生の比率が小さくなるなど、出生する赤ちゃんにも良い影響を与えています。
卵子提供プログラムに関わらず、日本における不妊治療でも、このように受精卵を凍結保存するのが現在では主流となっていて、凍結胚移植の方が新鮮胚移植よりも10%も妊娠率が高くなっています。
今では日本において体外受精で産まれてくる子どもたちの内76%もの子供が凍結胚移植によって生まれてきているのです。
生まれてきた子どもたちの内、3/4が医療機関のマイナス196℃に冷やされた液体窒素タンクの中で、一定期間過ごしていたという事を想像すると、これはちょっと驚きです。

凍結胚保管の様子

胚のガラス化法ってどういうの?

それでは胚の凍結はどのように行われるのでしょうか?2006年にガラス化法(超急速ガラス化保存法)が登場しました。ヴィトリフィケーションと言います。
これは画期的な胚の凍結方法で、以前は凍結胚を融解すると、5個~20個に1個ぐらいの割合で受精卵は死んでしまいましたが、このガラス化法では胚が死んでしまうことはほとんどありません。
人間の身体は約60%が水であるといわれます。細胞も同様で、そのほとんどは水分です。このために細胞を凍らせると、細胞内に氷の結晶ができます。水は液体よりも氷になった方が体積が増えるので、氷が細胞壁を壊してしまって細胞は死んでしまうのです。受精卵も同じ細胞なので、普通に凍らせると壊れて死んでしまいます。
これを防ぐために、まず胚の内部の水を凍結保護物質(CPA)に置き換えます。胚を凍結保護物質の溶液に浸すと、胚と溶液との浸透圧の差によって、胚の中の水分が漏れ出し、胚の中には凍結保護物質が浸透します。
これにより細胞内の粘性が高まるために胚の中に結晶が形成されません。凍結保護物質は氷の結晶をつくることなく、ガラスのような状態で固まるために体積が膨張せず胚が破壊されないのです。
そのためにこの方法はガラス化法と呼ばれます。
受精卵が凍結保護物質で満たされると(細胞内のCPA濃度は50%以上に高める必要がある)、今度は一気に液体窒素へと投入して胚を凍結させます。
実際には受精卵はそれぞれ胚の質や、発育の状態により細胞膜の透過性が異なるために、胚ごとに最適な浸透処理が求められます。
受精卵はそれぞれに最適な条件での凍結保存が必要ですが、ガラス化凍結法ではそれが可能です。
胚培養士(エンブリオロジスト)はその状態を確認しながら胚を凍結させます。こうして凍結された胚は半永久的に保存することができます。

アクトワン・ActOne では、複数凍結保管された受精卵によって、1人目はもちろん、その後時期やタイミングをみながら、2人目、3人目を妊娠をすることができます。
それが可能なのは、このガラス化法という胚の凍結保存方法があるからなのです。
このガラス化法は現在では、受精卵のみならず、様々な細胞や骨髄バンクなどでも使われて、広く応用されています。

最新の技術が多胎妊娠を防ぐ

こうしてPGSと胚盤胞まで培養した受精卵を凍結保管することでの、大きなメリットは、多胎妊娠の発生を防ぐことが出来るという点にもあります。卵子提供プログラムでも、以前には体外受精の成功率を上げるために、複数の胚を子宮に移植するということが行われていました。複数の胚を移植すれば、双子や三つ子などの多胎妊娠となる可能性があります。
多胎妊娠は早産や未熟児の生まれる可能性が高いのです。多胎妊娠では、この280日に及ぶ妊娠期間を維持できない可能性がとても高いからです。
WHOによれば、妊娠期間は最終生理日から出産までを280日としています。(最終生理日から排卵までは14日ですから、受精から266日後に出産するという計算です。)
多胎妊娠は生まれてくる赤ちゃんにとっての大きなリスクとなるだけでなく、母体にも重大なリスクとなります。
PGSと胚の凍結技術の進歩は多胎妊娠のリスクを軽減するという恩恵を、卵子提供プログラムを受けるレシピエントご夫婦にたらしたのです。

凍結された受精卵はどうやって融解する?

凍結された胚を使った方が妊娠率は上がります。凍結された胚は半永久的に保存ができます。胚が凍結保管されているので、レシピエントの奥様は万全の準備を整えて、移植に臨むことができます。子宮内膜の状態もとても良好になるようにホルモン剤を使って調節していきます。移植の際には凍結された胚盤胞は融解されて、奥様の子宮に移植されます。
それではマイナス196度に凍結された受精卵をどのように融解するのでしょうか?
ガラス化法では、受精卵を凍結するにあたって、凍結保護物質(CPA)を胚に浸透させる必要がありました。なので、凍結胚の細胞内にはCPAが高濃度で存在することになります。
このような状態の細胞を通常の培養液に入れると、細胞外から大量の水分が中に流入して、細胞は膨張して破裂してしまいます。これを浸透圧障害といいます。
それを防ぐために、凍結胚の融解のためには、濃度の違う4段階の融解液を用意します。濃度の違う融解液に順番に入れることによって、浸透圧障害を防止するのです。
4段階の融解液の最後は培養液で、最終的には細胞内の凍結保護物質はすべて培養液と入れ替わるのです。
凍結胚融解のためには他にも重要なことがありあます。それは温度です。
温められて細胞がガラス化(固体)から液体へと変化する時に、細胞内には液体と固体が混在することになります。この時のわずかな体積差が、脱ガラス化時の亀裂(クラック)を発生させることがあるのです。透明帯や細胞質のクラックを防止するためには、ガラス化された胚は急速に加温する必要があります。このために凍結胚は37度に温められた融解液の中に素早く浸さなければなりません。
融解された胚は、驚くことに、すぐに成長を再開します。
まるで生命の神秘です!
この胚の発育によって、融解された胚が生きているか否かの判断ができるのです。

ハワイクリニック機材7

最新のテクノロジーが卵子提供プログラムを支えている

融解された胚盤胞は、すぐにお母さんの子宮に移植されます。移植された胚は黄体ホルモンの働きによってふかふかになったお母さんの子宮内膜に着床して、これから元気に成長していくことになるのです。
卵子提供プログラムは、このように最新のテクノロジーによって成り立ち、支えられています。エッグドナーさんからの卵子の採卵、顕微授精、胚盤胞と呼ばれる状態までの胚の培養、着床前診断(PGS)、ガラス化法による胚盤胞の凍結、胚融解、レシピエントの奥様への移植。これらすべての過程で最新の技術や療法が使われるのです。
このような理由で、卵子提供には信頼できる優秀なクリニックが求められます。アクトワン・ActOneの提携する海外4か所のクリニックはどれも素晴らしく優秀なクリニックですから、安心して卵子提供プログラムを進めることができます。
最新の理論も、最新のテクノロジーも、最新の治療法もすべてプログラムに取り入れられています。そしてそれは最新の研究に基づいて常に進歩していますので、クリニックのプロトコルも適切な時期に変更されます。
現在も高い成功率を誇るエッグドナーの協力による卵子提供プログラムは、このような絶え間ない進歩と努力によって、さらに改善されていくことでしょう。

 

日本で卵子提供を受けることができるのか?

         

日本における高齢出産の現状

現在日本では、晩婚化が進み高齢出産をされる方も多くなっています。
日本産婦人科学会の定義付けによると、高齢出産とは35歳以上の初産婦とされています。
1993年以前は「30歳以上」の初産婦と定義されていましたが、晩婚化により30歳以上の初産婦が増加したことや、WHOをはじめとした諸外国でも同様の定義付けがなされているため、35歳以上に年齢が引き上げられた経緯があります。日本では特に2000年以降、全体の初産のうち10%超が高齢出産となっており、晩産化が進んでいると言えます。
日本産婦人科学会が挙げる高年妊娠の問題点としては次のようなものがあります。

  • 妊娠しにくくなる
  • 流産率が上昇する
  • 様々な産科異常の率が上昇する

全染色体異常児の出生頻度は母親の年齢が20歳で1/526、であるのに対し、49歳では1/8です。ダウン症の出生率は20歳:1/1667ですが、49歳:1/8となっています。
(遺伝カウンセリングマニュアルより)
染色体異常があると多くの場合は着床しない、もしくは着床しても流産につながってしまいますが、中には出生に至るまで育つケースがあり、それが上記のデータとなっています。
不育外来の初診年齢別による生児獲得率も20代では64%であるのに対し、40歳以上では僅か14%となっています。年齢と共にいかに妊娠・出産が難しくなっていくかがこの数字からもわかります。

このようなことから、卵子の老化を含む何らかの原因で、妊娠の機会にめぐまれない方が年々増加しています。

日本で卵子提供を受けることができるのか?

自己卵では妊娠することが難しいとわかったけれど、それでも妊娠を強く望まれているご夫妻が、卵子提供によって妊娠することを希望されるというケースも増えています。
ただし、残念ながら現在の日本では卵子提供による妊娠を望まれるすべての方が卵子提供を受けるという事はできません。
日本で卵子提供を受ける為には、JISART:日本生殖補助医療標準化機関 の卵子提供ガイドラインの適応を受けてから卵子提供実施施設にて治療を受ける必要があります。
JISARTとは、不妊治療を専門とする生殖補助医療専門施設によって構成されている団体の事です。
JISARTを利用して卵子提供を受ける為には、まず必要書類を準備してJISARTへ申請し、審査を通過する必要があります。

卵子提供 日本

さらに、審査通過後の卵子提供実施施設でのカウンセリング開始から治療開始まで約1年かかると言われています。
また、JISARTの卵子提供ガイドラインの適応を受けるには、さまざまな条件があります。
卵子提供を受けられるのは、50歳を超えていない方で、早発性卵巣機能不全などで卵子が存在しない方です。「加齢」による不妊は対象外とされています。
JISARTのガイドラインでは、「加齢により妊娠できない夫婦でないことを必要とする。この点の具体的な判定は医師の裁量によるが、妻の年齢が50歳程度であることを目安として判断する」とあります。

6回以上の夫婦間体外受精によっても妊娠や出産に至らず、今後妊娠できる可能性が極めて低いと医師が判断した方なども該当者となります。
このケースには加齢により卵子が使えない場合も含まれていると思われますが、医師の裁量という極めて不明確な判断基準で運用されている点で分かりにくく不透明です。

さらに、卵子ドナーになる方にも条件があります。原則としては35歳未満で既に1人以上のお子様がおられる方となっています。
また、40歳未満の方も条件が整っている場合は卵子ドナーと認められる場合もあります。

このような高齢の卵子ドナーから採卵して、その卵子の提供を受けるのは、一般的な卵子提供プログラムではありえないことで、なぜこのような運用基準になっているのかは、甚だ疑問で理解に苦しみます。

JISARTのガイドラインでは、卵子提供を受けて授かったお子様には、出自を知る権利が認められています。
お子さまが成長し、遺伝学的な母親の情報を知りたいと希望すればドナー情報を開示することが義務付けられているということです。ところが、同じJISARTのガイドラインでは卵子ドナーは匿名の第三者であることが求められていて、ガイドラインが内容的に矛盾しています。

JISARTのガイドラインは卵子提供を妨げている

このように、JISARTによる卵子提供は、広く一般に門戸が開かれているものではなく、ある特定のほんの一握りの赤ちゃんを望む夫婦のためだけに存在し、すべての赤ちゃんを望む夫婦のために存在するものではありません。
このような不公平は、とうてい治療と呼べるものではなく、これはまだ実験的におこなわれているに過ぎないと言えます。
JISARTのガイドラインは卵子提供を行うためにあるのではなく、むしろ卵子提供をさせないためにあるようなものです。要するに日本における卵子提供はその程度の実績しかありません。
その為、卵子提供プログラムを受けたいと望むレシピエントご夫婦は、日本ではなく海外でプログラムを受ける、という選択となります。

海外の卵子提供の現状

海外では、卵子提供によりお子様を授かる方法も早くから受け入れられています。例えば米国では20年から30年も前から既に卵子提供が行われていて、その実績も技術の蓄積も膨大です。
米国では安心して卵子提供プログラムを受けられるようにするために、卵子提供やそれに関係する法律が整備されています。
こうして卵子提供は、一般的な不妊治療での「選択肢のひとつ」として示される、ごくごく普通の治療となっています。

卵子提供ハワイ

海外で卵子提供を受けるには

日本在住で海外での卵子提供を受けようと希望される方は、一般的にエージェントを利用します。
Act Oneアクトワンも卵子提供のプログラムをご提供する日本法人であるエージェントです。
不妊に悩むご夫婦が卵子提供プログラムに参加される事を決定すると、正式にAct Oneアクトワンと卵子提供契約書を締結します。
それから、海外渡航して、提携先のクリニックの医師の初診を受けて検査や採精を行います。
卵子提供を受けるご夫婦は海外への1次渡航と前後して、卵子ドナーの選定をおこないます。
卵子ドナーが決定すると、卵子ドナーは日本国内で事前検査を受けます。ホルモン値や卵巣機能、感染症の有無を確認するためです。すべての検査項目で問題のない方だけが、正式に卵子ドナーとなることができるのです。

正式に卵子ドナーに決定されると、卵子ドナーは海外に渡航・滞在して提携先クリニックを受診して、排卵誘発を行って採卵します。採取された卵子は、ご主人の精子と顕微授精されます。
受精卵は5日から6日間培養され、胚盤胞になったものを奥様の子宮に移植します。
海外では着床前診断(PGS)を受けることを選択することができます。PGSではすべての染色体の検査を実施しますので、遺伝子異常のない正常な胚のみを移植することが可能です。
このために胚の着床率も上がり、流産率を低下させることができるのです。PGSの結果から男女の別も判明します。ご夫婦が希望すれば、正確な男女の産み分けも可能になります。

日本で卵子提供が受けられる?

卵子提供を日本で受けられるのでしょうか?
この問に関する答えとしては、「残念ながら現在のところ、殆どすべての方は日本で卵子提供を受けることが難しい」ということになります。
それが日本の卵子提供の現状なのです。
Act Oneアクトワンとそのスタッフは、本当に必要としている方々が、本当に必要な治療を、自ら選択肢として選ぶことのできる環境になることを願っています。
まずは法律を作り、法整備を進めることが必要なのです。

 

 

どうぞ、心と身体をいたわりながら的確で賢い不妊治療を受けて下さい。パートナーを大切に!

         

子供が欲しいあなたを全力で応援するバタフライより☆彡

私は、不妊治療を12年続け、ついに自分の卵での妊娠を諦めて、卵提供を受けて妊娠、出産しました。

私が不妊治療を開始した頃と現在とでは、隔世の感があります。
以前は、不妊治療を受ける、という事はとても特別な事で、後ろめたく、容易に他言出来ない雰囲気でした。
ところが今や、不妊治療関連の保険や、金融商品も登場し、不妊治療は今や堂々、時代の表舞台に躍り出ました。
身近で大事な存在となった不妊治療ですが、医療分野としては新興ですので、まだまだ、変貌を遂げていくと思われます。
患者は、的確で賢い選択をして、疲弊しないようにして欲しいです。

私は12年間の不妊治療で、様々な医療機関に行きました。
歴史が古く、日本の不妊治療の草分け的存在の病院や、全国的に有名な人気病院、カリスマ的医師が君臨する個人クリニックetc、
全国あちらこちらの病院やクリニックに行き、最先端の不妊治療を探し求めました。

そして得た結論は
質の良い卵、精子、母体、何より心が肝心」という事です。

現在百花撩乱の不妊治療。
ホームページには、
「あなたの為のオリジナルの治療をカスタマイズします」
など、美辞麗句が踊っています。
妊娠の実績が数字で示されていますが、数字のマジックに期待し過ぎてはいけません。
高い妊娠率を誇っていても、それは、体外受精の結果としてのごく初期の妊娠も含んでいる場合がほとんどです。
肝心なのは、出産までたどり着く事であって、妊娠率ではなく、出産率を確かめる必要があります。

患者のニーズに医療体制が追いついていない、というのが不妊治療の現状です。
そもそも医療機関が少ないので、大変混雑して、長い待ち時間に患者のストレスはうなぎのぼり。
治療そのものが大変なストレスなのに、治療にたどり着くまでのストレスが重なって、患者の心は悲鳴をあげています。

患者を苦しめているものがもう一つ、費用です。不妊治療は保険外が多く、高額になるケースが多いです。

私は全国の色んな病院やクリニックに行きましたが、同じ治療でも診察代が全く違うのに驚きました。

卵の成長をチェックし、排卵のタイミングを探る、という不妊治療の基本中の基本の、エコー検査。
これが、保険外で、1回5千円ほど必要な所もあれば、保険診療でまかなえる所もあり、なんと、エコー検査の費用は無料、という所もありました。

私は、歯科もあちらこちらへ通いましたが、歯科も同様で、同じような虫歯治療を受けたのに、何故、こんなに診察代が違うのだろう?とかねてから疑問でした。
不妊治療も医療機関によって、費用がかなり違います。
特に、高額の体外受精は、大幅な価格差がありますので、要注意です。

高い所が良い、とか、安い所はだめ、という判断は出来ません。
何科であってもそうだと思いますが、医療機関を選ぶ時には、ドクターや医療機器など診療のクオリティ、費用、通いやすさなど、
総合的な判断が必要で、高名なドクターであっても、自分との相性が悪ければ、治療が苦痛になってしまいます。

不妊治療は、排卵誘発剤やホルモン剤の副作用などで、身体が相当、苦しいです。
心もはり裂けそうに、しんどいです。ぎりぎりの状態で踏ん張っている時に、
いくら腕の良いドクターであっても、ハートの優しさが感じられなかったり、思いやりに欠ける言葉を言われたりしたら、良い卵も育ちません。
不妊治療は、夫婦やカップルとドクターの三人四脚、そして、体外受精の場合には培養士も加わって、チームを組んでの治療になります。
相性も大事です。

12年間の不妊治療で、人工授精や体外受精を繰り返し、10回の流産を体験し、1回の卵提供で妊娠、出産に至りました。
巨額を費やし、膨大な時間と気力、そして、海に流してしまいたい程の沢山の涙を流してきました。
私は、出来るだけ、私の体験を伝えて、後に続く皆さんの力になりたいと願っています。
不妊治療についてのアドバイスを具体的に書きます。

バタフライ1

1.医療機関のホームページを的確に読み取る事。複数の病院、クリニックのホームページを比較検討する。美辞麗句にだまされないで。

2.ドクターとの相性を大事にする。

3.待ち時間が長く、やっと診察室に入れたと思っても、一人の患者にかける時間は短く、ドクターと真剣に話し合っていても、
看護師がやって来てドクターの机に 他の患者達のカルテをドンと置く、というのは茶飯事。
なので、ドクターへの質問を簡潔に箇条書きにまとめて、メモを持って診察室に入りましょう。

4.疑問があれば、とことん尋ねましょう。
ドクターが多忙で無理なら、看護師や、培養士に尋ねましょう。
出来るだけ友好的な関係を医療スタッフと築きましょう。
無理してしんどい思いをして友好関係を作らなくても、医療スタッフに質問をぶつければ、あなたの熱意は伝わります。

5.費用については、特に高度医療は、病院やクリニックによって差があるので、詳しく尋ねましょう。

6.受精卵はできるのだけれど、胚が順調に育たない。
妊娠してもすぐに流産してしまう。
こんな場合には不育症検査も受けましょう。
最近は、不育症治療に特化したドクターもおられます。

7.不妊治療は、心身への副作用が相当きついです。
私の場合は、排卵誘発剤やホルモン剤の大量摂取により、吐き気や抜け毛、ひどい倦怠感に悩まされました。
流産の後には何度も自殺を考えました。
私を救ってくれたのは、友人でした。とことん、私の悩み苦しみを我慢強く、聴いて、受け止めてくれました。
何度も何度も同じ話をして泣く私のそばにずっと、じっと、居てくれました。あなたを受け止めてくれる人を大切にしましょう。

8.頑張って、良い卵を創り上げても、大地である母体がくたびれていては、命は育ちません。
私は、母体創りのために、お灸、漢方薬、高麗人参、はちみつ、そして、不妊に効くという、アメリカで売られているサプリも個人輸入していました。
温泉にもよく行きました。特に、赤さび色の鉄泉が子宮や卵巣に効いた、と私は思っています。
あなたが、心身を伸びやかに解放できる何か、を大切にして下さい。

9.パートナーを大切にしましょう。
私の場合、私の、赤ちゃんへの想いが強過ぎて、不妊治療に突っ走り、夫がついて来られなくて、息切れして、
「もう協力出来ない。こんなしんどい思いをしてまで子供は要らない」
と言い、夫婦共にとてもつらい時期が長くありました。
男女が協力して、命は誕生します。夫やパートナーの意志も尊重しましょう。

不妊治療については、また、補足して書いていきたいと思っています。

私の体験が、皆さんのお役に立てて、少しでも、楽に、のびのびと、不妊治療にのぞんで頂ければ嬉しいです。

バタフライさんのブログの続きはこちらから

引け目を感じないで!

         

子供が欲しいあなたを全力で応援するバタフライより☆彡

私は、卵提供を受け、高齢初産で出産しました。卵提供を受ける事を決意するまで、大変悩みましたが、今、子供と日々の喜怒哀楽を共にし、本当に、出産して良かったと実感しています。

卵提供を受けるかどうか、悩んでおられる方々に、このブログが何らか、力になればHappyです。

前回のブログで、「周囲があなたを母親にしてくれます」と書きましたが、とても大事な事ですのでもう少し、補足します。

私が声を大にして強調したいのが「卵が自分のものでないからといって、ひけめを感じないで欲しい」という事です。
私自身が妊娠中からずっと、ひけめを感じて何だか肩身の狭い思いをしていたのですが、結局は杞憂だと分かりました。
妊娠中の産婦人科でも、出産前後も、育児中の現在も、どの時期でも、差別されたり、特別扱いされる事はありませんでした。
そしてこれは、養子を育てておられる方も同じだと思います。プロセスがどうあれ、大切な命を育む母親は、母親です。
母親に差異も優劣も有りません。

段階毎に、具体的に述べていきます。
まず、妊娠初期ですが、私の場合、不妊治療の時期が長く、卵提供前後のケアも不妊治療のドクターにお願いしていましたので、何ら心配はありませんでした。
私が緊張したのは、不妊治療の専門病院から一般総合病院への転院時でした。
高齢初産のハイリスク妊婦ですので、出産時のトラブルに対応出来るよう、診療科目が揃っている総合病院へ移りました。
初診時に卵提供を受けての妊娠である事を伝えました。

妊娠経過を特別に注視されるかも?
卵提供による妊娠、出産はまだ臨床データが少ないので、様々な検査をされてモルモット的に扱われるかも?
夫が呼び出され、ドクターとの三者面談が何回もあるのでは?
etc、不安で疑心暗鬼、大変しんどい思いをしましたが結局、何もありませんでした。
他の妊婦と全く同じで、妊婦健診も通常通り、そして、夫との三者面談は、一切ありませんでした。
私は自然分娩からスタートしましたが難産となり、緊急帝王切開で出産しました。

手術後、自然分娩から帝王切開に切り替えた経緯及び、手術内容、結果についてドクターから夫に対して説明があり、結局、夫とドクターの面談はその1回きりでした。
私が出産した病院は、多胎や、持病があるなどのハイリスクの妊婦が多く、私は持病もなく妊娠経過も問題なかったので、特別扱いを一切されませんでした。
特別扱いされない事は、とても楽で、安堵出来ました。
卵提供について病院に伝えるかどうか、はケースバイケースで判断されれば良いと思います。

バタフライ1

前回のブログで書きましたように、出産後、
「お母さん、お乳をあげて」
「お母さん、おむつを替えて下さい」
「沐浴の練習をしましょう、お母さん」
という風に、「お母さん」を、連呼されて、周囲が母親にしてくれます。

産後すぐから、病室のベッドとベビールームを行ったり来たりして、2時間おきの授乳やおむつ替えの多忙な時期を過ごします。
その際に、「この人は、卵提供を受けてママになった人だから」といったような差別は、一切有りません。
全員が、同列で母親です。

一人目の出産なのか、二人目以降か、育児の手際の良さの差は歴然とありますが、
生まれたての、ほんのちょっとした事で壊れてしまいそうな、しかし強い生命力に輝く圧倒的な存在感の赤ちゃんを前にして、
自分の卵かどうかなど、無意味で、ドクターにも助産師さん達にも、何も言われませんでした。

母親が差別される事は一切ありません。
卵が自分のものでなくても、どうぞ、ひけめを感じたり、肩身の狭い思いをしないで下さい。
母親は、皆、母親です。

私は帝王切開で産みました。
帝王切開で出産した人の中には、ひけめを感じたり、特に、予定帝王切開ゆえに陣痛を体験しなかった人の中には、
一人前の出産が出来なかった、と後悔したり自分を責めたりする人がいます。
私は何度も流産していて、そのたびに、自分が赤ちゃんを殺してしまった、と自分を責めさいなみました。
ですので、帝王切開で出産した人が自分を責める気持ちは痛いほどよく分かります。
私の心にも刺さります。

どうぞ、自分を責めないで下さい。
「結婚してやっと一人前」
「結婚したら、子供を産んで一人前」
「自然分娩で産んで当たり前」
「自分の卵で当たり前。他人の卵を貰うなんてとんでもない」
「母親は、自分を犠牲にして、家庭を守り子育てに専心して当たり前」

一人前や当たり前。
もう、こんな紋切り型の固定概念に縛られるのはやめましょう。
楽になりましょう。
楽になって良いのです。
2017年の今、女性の生き方の選択肢は実に多彩になったにもかかわらず、
まだまだ、女性に限らず、男性の生き方も含めて、人生に対する偏狭な考えが根強く存在します。
しかし、もう、「立派な一人前にならなきゃ」という拘束から自由になりましょう。
楽に、生きましょう。

ベビールームで、数人のママ達と一緒に、お乳をあげていました。
私を含め新米ママ達は、赤ちゃんの抱っこも覚束なく、上手にお乳をふくませられなくて、抱っこの角度をあれこれ変えてみたり、四苦八苦。

赤ちゃんはお乳を吸う力が弱く、すぐに寝入ってしまうので、助産師さんに指導を受けながら赤ちゃんをくすぐったりして目覚めさせ、懸命に授乳していました。
私の隣はインド人のママでした。
上手な日本語で、
「どうして赤ちゃんはすぐ寝てしまうの、お乳を飲んでほしいのに」
と言い、母国語で子守唄を歌っていました。

すぐ隣の分娩室から、その日、5人目の産声が聞こえてきました。
お産が多いと言われる満月の晩でした。産声が聞こえると、ママ達が「あ、産まれた」とつぶやき、
今、自分の腕の中にいる赤ちゃんや、たった今、命を芽生えさせた赤ちゃんについて、皆、めいめいの想いを巡らせているのが、伝わってきます。

母親に差異は有りません。
赤ちゃんにも差異はありません。
懸命に生きていこうとしている皆の心を、満月が照らした晩でした。

バタフライさんのブログの続きはこちらから

大丈夫。卵子提供を受けても、本当のママになれます!

         

子供が欲しいあなたを全力で応援するバタフライより☆彡

私は、卵子提供を受けて母親になりました。不妊治療を12年間続け、10回妊娠、10回とも初期流産しました。不妊、不育両方の体質でした。

全く妊娠しないのなら諦めもつくのですが、妊娠はするので、自分の卵で妊娠したい、という気持ちが強く、12年間も不妊治療を続ける事になったのです。

不妊治療では毎月、自分の卵をエコー検査でチェックします。
高齢になり、だんだん、卵の数が減り、なかなか大きくならないようになってきました。
このまま自分の卵に執着していたら、いずれ卵が出来なくなって、妊娠を決定的に諦めざるを得なくなる。
自問自答を繰り返しました。自分の卵がゼロになるまで続けるか、卵子提供を受けるか、どっちにする?

不妊、不育、両方の検査も受けてきました。
主治医の見解は
「妊娠を維持出来ないのは、高齢による、卵の質の低下」
というものでした。
セカンドオピニオンを求めて他院にも行きましたが、同様の返答でした。

養子縁組をしようか、「こうのとりのゆりかご」に連絡して、預けられた赤ちゃんを私達の子供にしようかetc、
色んな選択肢を考えて悩みに悩んだ末、卵子提供を受ける決意をしました。

理由は3点です。

1.養子なら夫婦との血縁は無いが、卵子提供なら、夫の精子を活かせる

2.自分が妊娠、出産を体験出来る

3.養子なら戸籍に養子と記載され、いつか子供がそれを見る心配があるが、自分で産めば、その心配は無い

 

以上の理由で、卵子提供を受けると決めました。

そこからがまた、大変な作業の連続でした。
斡旋会社選び、何より、ドナーさんとのマッチング。
渡航。
移植前後の自分の治療を受け持ってくれる病院、ドクターへの説明。
移植、妊娠に備えての身体作り・・・

それらについては今後また随時、具体的に分かりやすく書いていきたいと思っています。

この原稿では、一番伝えたいことを書きます。

「卵子提供を受けても、本当のママになれますよ、大丈夫!!」

私自身、一番悩んでいた点はそこです。
自分が苦労して妊娠、出産したにもかかわらず、遺伝的つながりは無い。
自分と似ていない子供を本当に愛せるだろうか?
育児は大変な重労働。
自分のDNAを受け継いでいない子を本当に慈しめるだろうか?

出産前のそんな悩みに対して育児中の今、断言できます。

この子は、愛おしい愛おしい私の子。出産前の心配は全くの杞憂です

バタフライ1

そう思える理由を具体的に書きます。

養子縁組した家族4人のドキュメンタリーを観た事があります。
夫婦に、親がそれぞれ違う2人の子供達。
4人全員、血縁はありません。
でも、4人皆、とても似ているのです。
顔かたちではなく、全身のたたずまいが、似通っていて、調和しておられたのです。

遺伝子ではなく、日々の生活を共にしていく中で、喜怒哀楽を一緒に体験して、共に喜び、悩み、泣いたり怒ったり笑い合ったりする積み重ねが、家族を家族たらしめ、似させていくのだと実感しました。

私の場合、卵子提供の事情を伝えていない方々からも
「雰囲気はお父さん似で目はお母さん似ですね」
とよく言われます。

自分で妊娠出来る事も、卵子提供の大きなメリットです。
妊娠期間に、健診を受け、妊婦としての経験を重ねる事で、母親としての意識を高めていけます。

そして、
「大丈夫!!本当のママになれます!!」
と私が強く断言する最大の理由は
「自分自身ではなく、周囲がママにしてくれる」
という事実です。

出産直前まで、私達は妊婦で、氏名で呼ばれます。
ところが、出産直後から、「お母さん」と呼ばれます。
いきなりの変化です。
そこからは、
「お母さん、お乳をあげて」
「お母さん、おむつを変えて」
「沐浴の練習をしましょう、お母さん」
「お母さん、しっかり抱いて」
「体調はどうですか、お母さん」
「あ、赤ちゃんがママを見て笑ったね」etc

出産後、退院するまで、ドクターや助産師さん達から、とにかく、お母さん、ママ、と連呼され続けます。

その後の育児生活でも、お世話になる保健師さん、保育士さん、スーパーで出会う方々、近所の皆さん、お出かけ先でエレベーターで乗り合わせた方々などなど、ありとあらゆる皆さんから、お母さん、ママ、と呼ばれ続けます。

それは一生、続きます。

出産直後で心身共に大変不安定な時期、周囲の方々があなたに
「お母さん、子育て大変でしょう。頑張ってね」
と言って下さいます。

皆さんがあなたを母親にして下さいます。
そして、色んな不安を最大限に払拭してくれるのは我が子です。
母親を無垢な心で信頼し、身を預けてくる子。もちろん、育児はバラ色では有りません。

私は、産後高血圧に悩まされ、心身のバランスが乱れに乱れ、しょっちゅう、泣いていました。
でも、私が泣くと、子供がものすごく悲しそうな顔をするのです。
私は涙を見せないよう踏ん張ります。

最も強力に、あなたを母親にしてくれるのは、子供自身です。

21世紀の今、家族の形態は多様化し、ライフプランも選択肢がいっぱい有ります。
その中で卵子提供を受けようか悩んでおられる方々に、私の体験、考えがお役に立てればとてもhappyです。

移植から2年後、保育園の運動会で我が子と一緒に、かけっこをしました。
手をつないで20メートルほどよちよち進んで、アンパンマンせんべいをゲットするのです。

グラウウンドで二人で見上げた青空と、2年前の移植の時に、異国の地で一人で見上げた空を比べて、
世界じゅう、空は自由に広がってつながっている、と思いました。

バタフライ3

 

 

 

 

 

 

 

バタフライさんのブログの続きはこちらから