LAと日本の卵子提供状況の違い

       

近年、女性の社会進出や晩婚化が進んでいることに伴い、不妊に悩む夫婦が増加しています。
一般的な不妊治療を受けるご夫婦はもちろんのこと、卵子提供による体外受精に対する需要も高まってきています。
また、実際卵子提供によって日本でも多くの赤ちゃんが誕生しています。
アメリカ、特にLA(ロサンゼルス)では30年以上前から卵子提供プログラムが導入され、不妊治療の5%ほどが卵子提供による体外受精を実施していると言われているほど一般的な治療方法として認知されていますが、日本ではあらゆる不妊治療を試した上での最後の手段として選択されることがほとんどです。

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卵子提供を試さずに妊娠を諦めてしまうご夫婦も少なくありません。
LA(ロサンゼルス)と日本での、卵子提供に対する意識の違いはどこから生まれるのでしょうか。

最も大きな違いは、卵子提供に関する法整備の状況でしょう。
LA(ロサンゼルス)の属するカリフォルニアでは、すでに20年近い卵子提供の実績があることから、卵子提供に関わる法律はしっかりと整備されています。
一方日本では、卵子提供による体外受精は禁じられていない代わりに完全に認められているわけでもなく、各機関がガイドラインを出しているだけという非常に中途半端な状態です。

また、日本では卵子提供による体外受精を実施しているクリニックそのものの数が多くないというのも、LAとの違いです。
最近日本でもエッグバンクがスタートし、希望に合ったドナーを紹介してもらえるようになりましたが、それ以前は自分でドナーを探さなければならず、結果知人や姉妹、親せきと言った身近な方から卵子提供を受けざるを得ない状況だったことも、卵子提供による体外受精の壁を高くしていた原因の一つでしょう。
LA(ロサンゼルス)には、高い技術を持った専門医や、最先端の医療機器を備える専門のクリニックが豊富に存在します。
また、ドナーもビジネスの一つとして確立されているため、世界中からドナーが集まり、優良な卵子の提供も受けやすくなっています。

LA(ロサンゼルス)では、40歳を過ぎて体外受精を望む方には、卵子提供による体外受精を勧められることが多いのに対し、日本ではぎりぎりまでなんとか自分の卵子での妊娠に挑戦しようと考える方が多い傾向にあるという違いもあります。

日本とLA(ロサンゼルス)では、卵子提供に対してこのような違いがあります。
しかし卵子提供の需要の高まりや実例の増加に伴い、日本でも今後は卵子提供による体外受精がもっと一般化し、国内での卵子提供プログラムもより充実していくでしょう。