採卵誘発剤を用いた薬物療法、卵管疎通障害への卵管通気法、そして精管機能障害に対する精管形成術といった通常の不妊治療でも妊娠することができなかった場合、次に採ることができるのが体外受精という方法です。
体外受精の事例は国内外でも年々増加しており、体外受精によって産まれた赤ちゃんも2009年の時点ですでに500万人を超えています。
この数は、全出生児の約40人に1人が体外受精によって産まれたことを示しています。
しかし、残念ながら体外受精でも赤ちゃんができないケースもあります。
体外受精で赤ちゃんを授かるには良質な卵子と精子が必要であり、何らかの理由で良質な卵子を作り出すことができない場合には体外受精でも妊娠が難しくなってしまうのです。
そこで最終的に採ることのできる方法が、卵子提供による体外受精です。
第三者から健康な卵子の提供を受け、非配偶者間で体外受精するこの方法は、LA(ロサンゼルス)やハワイ、ヨーロッパ等海外では20年以上前から実施され、2007年の時点ですでに30,000件を超える実績があります。
LA(ロサンゼルス)やヨーロッパ各国ではすでに一般的に行われている卵子提供による体外受精ですが、日本国内ではまだ公には認められていないのが現状です。
日本での卵子提供による体外受精に関する議論は十分には進んでおらず、法律も整っていはいません。
そのため、日本国内で卵子提供による体外受精を行うことは難しく、LA(ロサンゼルス)やハワイ、ヨーロッパやアジアなど卵子提供の盛んな諸外国で卵子提供プログラムを受けるのが一般的となっています。
特にLA(ロサンゼルス)の属するアメリカのカリフォルニア州は、世界の中でも卵子提供による体外受精の歴史が古く、確立された技術を持ち、卵子提供がビジネスとして成立していることから多くのドナーが集まっています。
そのため、LA(ロサンゼルス)での卵子提供プログラムを希望するご夫婦が多くなっています。
しかし、海外で卵子提供プログラムを受けるには、医療費の他に渡航費用や現地滞在費用なども必要となるため、非常に高額な費用がかかります。
近年では、日本でも初めてのドナーバンクがスタートしたこともあり国内での卵子提供プログラムの実施も盛んになっていくでしょう。
法整備が整い、誰もが気兼ねなく卵子提供による体外受精を受けられるようになるまでにはまだ時間がかかるかもしれませんが、確実にその日は近づいてきていると言えるでしょう。