卵子提供による体外受精は、さまざまな不妊治療法の中でも妊娠成功率の高い治療法と言われています。
しかし、費用が高額なため、治療に踏み切れずにいるご夫婦も少なくありません。
特に、卵子提供は一般的な不妊治療を長年続けた後、最後の手段として挑戦されることの多い治療法です。
つまり、卵子提供に至るまでの時点ですでに高額な治療費がかかっていることになります。
その上での卵子提供の費用、その負担はかなりのものになるでしょう。
卵子提供による体外受精の費用が高額なものになる理由の一つに、保険が適用されないことがあります。
不妊の原因調査のための検査や卵胞の発育のチェック、採卵誘発といった一般的な不妊治療は保険が適用されることが多いのですが、卵子提供による体外受精をはじめとする生殖補助医療には保険は適用されず、すべて自費での診療となります。
ただし、特定不妊治療支援事業による助成金を受けることができる他、自治体によっては独自の助成を実施しているところもあり、場合によっては国と自治体の助成金をダブルで受けることもできます。
ちなみに、20年以上前から卵子提供による体外受精が実施されており、日本よりも卵子提供が一般に認知されているアメリカ、LA(ロサンゼルス)の、生殖補助医療に対する保険事情はどうなっているのでしょうか。
アメリカでは、アーカンソー州、コネチカット州、ルイジアナ州など15の州で、保険会社に不妊治療に関する保険を設ける義務があるとしています。
Act Oneで卵子提供プログラムを実施しているLA(ロサンゼルス)の属するカリフォルニア州やハワイも、保険提供を義務付けられています。
企業の本社がこれらの州にある場合は、他の州にある組織に対しても同じ保険適用が義務付けられます。
保険適用の義務の詳細な内容は州によって異なります。
LA(ロサンゼルス)の属するカリフォルニア州、コネチカット州、テキサス州の3つの州では、保険提供が義務付けられており、保険契約者に対して保険が利用可能であることを申し出て、必ず保険を提供しなければならないという義務があります。
一方、これ以外の12の州では、保険で不妊治療をカバーすることは義務付けられているものの、必ずしもそれを利用者に申し出なければならないといった決まりはありません。
こうしてみると、LA(ロサンゼルス)の属するカリフォルニア州、コネチカット州、テキサス州の方がそれ以外の12の州よりも、より卵子提供に対する対応が手厚いと考えられるでしょう。
LA(ロサンゼルス)が世界の中でも卵子提供に関して一歩抜きんでている理由も、こういったところにあるのかもしれません。