卵子提供による不妊治療を受ける方は、すでに自然閉経していたり卵子の老化で健康な卵子を作り出すことが困難になっていたり、卵子提供以外の不妊治療では妊娠することができず、またそれ以外の方法は年齢的に困難である方など様々です。
その原因の多くが高齢によるものですが、中には早発閉経で若くして卵子が作られなくなってしまったという方もいらっしゃいます。
早発閉経とは、まだ一般的な閉経年齢に満たない20歳代から30歳代で卵巣年齢が実年齢以上に老化してしまい、卵巣としての機能が完全に停止してしまっている状態を言います。
早発閉経の原因はさまざまです。
しかし原因が特定できるものは全体の10%程度で、それ以外は原因不明であるといわれています。
はっきりとわかる早発閉経の原因には、以下のようなものが挙げられます。
◆染色体異常などの遺伝性疾患
◆甲状腺機能低下症などの自己免疫性疾患
◆チョコレート嚢腫や化学療法、放射線療法などの医療行為が原因で生じた疾患
また、以下のような方は早発閉経になりやすいといわれています。
◆もともと月経不順だった方
早発閉経の典型的なケースでは、月経初期から月経不順で徐々に月経が減っていき、20代後半で完全になくなるというケースです。
この場合は、生活習慣など後天的な要因ではなく、卵巣の機能が弱いといった先天的な要因である可能性が高くなります。
◆過去に卵巣の手術をしている方
卵巣摘出や卵巣嚢腫摘出などの手術をした方は、早発閉経がおこりやすくなります。
また、抗がん剤治療も早発閉経を起こす原因となります。
◆生活習慣
喫煙や過度のダイエット、菜食主義などの食生活の方よりも早発閉経の原因となることがあります。
早発閉経の方の中には、年に数回、不定期に排卵している方がいることがわかっています。
また、ホルモン療法によって排卵を促したり、卵子が残っているうちに採卵して体外受精をするという方法もあります。
いずれも成功率は低く、自身の卵子による妊娠は非常に困難であるといわれています。
しかし、卵子提供ならば他の不妊治療法よりも、妊娠できる可能性が高くなります。
ある卵子提供エージェントでは、卵子提供による妊娠成功率が70%~75%となっているというデータもあります。
さらに治療を始める年齢が若ければ若いほど、妊娠の成功率も高くなります。
早発閉経と診断され、それでも妊娠を望まれる方は、諦めずにぜひ卵子提供という選択肢を検討していただきたいと思います。