卵子提供を受けるその前に知っておきたいこと

       

卵子提供を受けて、出産をしたい…自分の子供を産みたいと考える人にとっては、卵子提供のメリットばかりが目に見えると思います。
確かに、卵子提供は自分の卵子での出産は望めない人にとって、希望です。

しかし、卵子提供を受けるその前に、考えておいてほしいこともあります。
それは、最後にもう一度現実と向き合うということです。

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自分のお腹で成長して出産したとしても、実際の卵子はドナーから提供を受けたものであり、自分の卵子ではありません。
それは現実ですし、隠せない事実です。

もちろん、出産をしたのは自分なので、自分の子供として認められるのは当然です。
もちろん実の母親として育てていくことができます。

しかし、大きくなるにつれて自分と子供が似ていない…という現実に向き合う必要があります。
小さなころは、まだそれほど顔もはっきりしないので現実には向き合わず生活できると思います。

ただ、成長とともに自分に似てくるのが普通なのに、似てこないという違和感を覚えるのだと思います。
もちろん、それは親だけではなく子供も思い始めます。

子供にとって、親と似ていないといわれることは傷つきます。
ほかの人は悪意があっていうわけではなくても、言われた本人は大きくショックを受けるでしょう。
そういう子供の気持ちも、卵子提供のその前に考えておかなくてはいけませんね。

また、そのうち子供に真実を伝える日がやってくるでしょう。
いつまでも知らせないまま、というわけにはいきません。

卵子提供を受けて出産したという事実を、どのように子供に伝えるのか…伝える覚悟があるのかも考えておかなくてはいけないでしょう。

卵子提供は不妊の人に対して救いの手となりますが、現実も受け入れなくてはいけません。
複雑な問題なので、子供と親の関係がどうなってしまうのか…それも不安を感じてしまうと思います。

しかし、卵子提供の是非に答えはありません。
卵子提供を利用したことで、念願だった子供を出産することができた…これは何にも代えられない喜びになります。

不妊治療の中でも、卵子提供で妊娠できる確率は高いです。
卵子提供の現実を受け入れるとともに、卵子提供の意味や自分にとっての卵子提供とはどんなものか、それを考えて覚悟を決めておきたいですね。

卵子提供の前に考えることは、自分の気持ちを落ち着かせるタイミングでもあります。
冷静になるチャンスなので、その時にもう一度現実と向き合ってみましょう。