卵子提供におけるSEET法のメリットとは

卵子提供では、着床障害のために体外受精や顕微授精をくりかえしてもなかなか妊娠ができないことがあります。
着床障害の原因には、受精卵と子宮内膜の反応不全があります。

着床時、受精卵はあるシグナルを送り、子宮内膜はそれを受けて着床環境を整えていると考えられています。
しかし、顕微授精ではそのシグナルを送るプロセスがないため、着床環境の準備が整わずに着床障害がおこる原因となっているといえます。

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そこで開発されたのが、SEET法です。

SEET法では、はじめに5日経過するまで受精卵を体外で培養して胚盤胞にまで育てます。
その後、この受精卵をいったん凍結保存します。

この際、この受精卵を培養するために用いた培養液も別に凍結保存します。
移植を行う際には、まず凍結保存しておいた培養液を解凍し、子宮内に注入します。

この培養液に含まれる受精卵の物質が、子宮内膜に対してシグナルを送るのです。
そのため、子宮内膜は着床に向けて準備を開始することができるのです。

着床準備が整う2日から3日後に凍結保存した胚盤胞を1つ移植します。
この方法によって、通常の顕微授精よりも高い確率で妊娠することが可能になるのです。
実際、通常の卵子提供プログラムで複数回受精しても妊娠できなかった方でも、このSEET法でならば妊娠することができる可能性があるといわれています。

通常の顕微授精での着床率が32.6%、妊娠率が28.8%だったのに対し、SEET法では着床率が45.1%、妊娠率が40.6%であったというデータもあります。

SEET法による卵子提供プログラムには、妊娠の可能性を上げるほかにもメリットがあります。
そのメリットとは、多胎妊娠のリスクを減らすことができるというメリットです。

通常の卵子提供プログラムでは、妊娠の確率を上げるために2個以上の胚盤胞を移植します。
すると当然、胚盤胞が1つの場合よりも多胎妊娠の可能性は高くなります。

実際、不妊治療によって妊娠した方は双子が生まれる確率が高くなっています。
本来女性の身体は一人の赤ちゃんを育てるのに適した環境になっているため、多胎妊娠は母体にも大きな負担となります。

特に高齢で卵子提供プログラムを受けている方はより、その負担が大きくなるでしょう。

SEET法ならば、一つの胚盤胞でも妊娠できる可能性が高いため、多胎妊娠のリスクを減らすというメリットと、妊娠成功率を上げることができるというメリットがあります。