日本で卵子提供を受けることができるのか?

       
卵子提供プログラムとは

日本における高齢出産の現状

現在日本では、晩婚化が進み高齢出産をされる方も多くなっています。
日本産婦人科学会の定義付けによると、高齢出産とは35歳以上の初産婦とされています。
1993年以前は「30歳以上」の初産婦と定義されていましたが、晩婚化により30歳以上の初産婦が増加したことや、WHOをはじめとした諸外国でも同様の定義付けがなされているため、35歳以上に年齢が引き上げられた経緯があります。日本では特に2000年以降、全体の初産のうち10%超が高齢出産となっており、晩産化が進んでいると言えます。
日本産婦人科学会が挙げる高年妊娠の問題点としては次のようなものがあります。

  • 妊娠しにくくなる
  • 流産率が上昇する
  • 様々な産科異常の率が上昇する

全染色体異常児の出生頻度は母親の年齢が20歳で1/526、であるのに対し、49歳では1/8です。ダウン症の出生率は20歳:1/1667ですが、49歳:1/8となっています。
(遺伝カウンセリングマニュアルより)
染色体異常があると多くの場合は着床しない、もしくは着床しても流産につながってしまいますが、中には出生に至るまで育つケースがあり、それが上記のデータとなっています。
不育外来の初診年齢別による生児獲得率も20代では64%であるのに対し、40歳以上では僅か14%となっています。年齢と共にいかに妊娠・出産が難しくなっていくかがこの数字からもわかります。

このようなことから、卵子の老化を含む何らかの原因で、妊娠の機会にめぐまれない方が年々増加しています。

日本で卵子提供を受けることができるのか?

自己卵では妊娠することが難しいとわかったけれど、それでも妊娠を強く望まれているご夫妻が、卵子提供によって妊娠することを希望されるというケースも増えています。
ただし、残念ながら現在の日本では卵子提供による妊娠を望まれるすべての方が卵子提供を受けるという事はできません。
日本で卵子提供を受ける為には、JISART:日本生殖補助医療標準化機関 の卵子提供ガイドラインの適応を受けてから卵子提供実施施設にて治療を受ける必要があります。
JISARTとは、不妊治療を専門とする生殖補助医療専門施設によって構成されている団体の事です。
JISARTを利用して卵子提供を受ける為には、まず必要書類を準備してJISARTへ申請し、審査を通過する必要があります。

卵子提供 日本

さらに、審査通過後の卵子提供実施施設でのカウンセリング開始から治療開始まで約1年かかると言われています。
また、JISARTの卵子提供ガイドラインの適応を受けるには、さまざまな条件があります。
卵子提供を受けられるのは、50歳を超えていない方で、早発性卵巣機能不全などで卵子が存在しない方です。「加齢」による不妊は対象外とされています。
JISARTのガイドラインでは、「加齢により妊娠できない夫婦でないことを必要とする。この点の具体的な判定は医師の裁量によるが、妻の年齢が50歳程度であることを目安として判断する」とあります。

6回以上の夫婦間体外受精によっても妊娠や出産に至らず、今後妊娠できる可能性が極めて低いと医師が判断した方なども該当者となります。
このケースには加齢により卵子が使えない場合も含まれていると思われますが、医師の裁量という極めて不明確な判断基準で運用されている点で分かりにくく不透明です。

さらに、卵子ドナーになる方にも条件があります。原則としては35歳未満で既に1人以上のお子様がおられる方となっています。
また、40歳未満の方も条件が整っている場合は卵子ドナーと認められる場合もあります。

このような高齢の卵子ドナーから採卵して、その卵子の提供を受けるのは、一般的な卵子提供プログラムではありえないことで、なぜこのような運用基準になっているのかは、甚だ疑問で理解に苦しみます。

JISARTのガイドラインでは、卵子提供を受けて授かったお子様には、出自を知る権利が認められています。
お子さまが成長し、遺伝学的な母親の情報を知りたいと希望すればドナー情報を開示することが義務付けられているということです。ところが、同じJISARTのガイドラインでは卵子ドナーは匿名の第三者であることが求められていて、ガイドラインが内容的に矛盾しています。

JISARTのガイドラインは卵子提供を妨げている

このように、JISARTによる卵子提供は、広く一般に門戸が開かれているものではなく、ある特定のほんの一握りの赤ちゃんを望む夫婦のためだけに存在し、すべての赤ちゃんを望む夫婦のために存在するものではありません。
このような不公平は、とうてい治療と呼べるものではなく、これはまだ実験的におこなわれているに過ぎないと言えます。
JISARTのガイドラインは卵子提供を行うためにあるのではなく、むしろ卵子提供をさせないためにあるようなものです。要するに日本における卵子提供はその程度の実績しかありません。
その為、卵子提供プログラムを受けたいと望むレシピエントご夫婦は、日本ではなく海外でプログラムを受ける、という選択となります。

海外の卵子提供の現状

海外では、卵子提供によりお子様を授かる方法も早くから受け入れられています。例えば米国では20年から30年も前から既に卵子提供が行われていて、その実績も技術の蓄積も膨大です。
米国では安心して卵子提供プログラムを受けられるようにするために、卵子提供やそれに関係する法律が整備されています。
こうして卵子提供は、一般的な不妊治療での「選択肢のひとつ」として示される、ごくごく普通の治療となっています。

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海外で卵子提供を受けるには

日本在住で海外での卵子提供を受けようと希望される方は、一般的にエージェントを利用します。
Act Oneアクトワンも卵子提供のプログラムをご提供する日本法人であるエージェントです。
不妊に悩むご夫婦が卵子提供プログラムに参加される事を決定すると、正式にAct Oneアクトワンと卵子提供契約書を締結します。
それから、海外渡航して、提携先のクリニックの医師の初診を受けて検査や採精を行います。
卵子提供を受けるご夫婦は海外への1次渡航と前後して、卵子ドナーの選定をおこないます。
卵子ドナーが決定すると、卵子ドナーは日本国内で事前検査を受けます。ホルモン値や卵巣機能、感染症の有無を確認するためです。すべての検査項目で問題のない方だけが、正式に卵子ドナーとなることができるのです。

正式に卵子ドナーに決定されると、卵子ドナーは海外に渡航・滞在して提携先クリニックを受診して、排卵誘発を行って採卵します。採取された卵子は、ご主人の精子と顕微授精されます。
受精卵は5日から6日間培養され、胚盤胞になったものを奥様の子宮に移植します。
海外では着床前診断(PGS)を受けることを選択することができます。PGSではすべての染色体の検査を実施しますので、遺伝子異常のない正常な胚のみを移植することが可能です。
このために胚の着床率も上がり、流産率を低下させることができるのです。PGSの結果から男女の別も判明します。ご夫婦が希望すれば、正確な男女の産み分けも可能になります。

日本で卵子提供が受けられる?

卵子提供を日本で受けられるのでしょうか?
この問に関する答えとしては、「残念ながら現在のところ、殆どすべての方は日本で卵子提供を受けることが難しい」ということになります。
それが日本の卵子提供の現状なのです。
Act Oneアクトワンとそのスタッフは、本当に必要としている方々が、本当に必要な治療を、自ら選択肢として選ぶことのできる環境になることを願っています。
まずは法律を作り、法整備を進めることが必要なのです。